「トライベッカ」の後継、富士重工業が北米向け3列シートSUVを2018年初めに発売:車両デザイン
富士重工業は、「ロサンゼルスオートショー2016」において、3列シートのミッドサイズSUVのコンセプトモデル「VIZIV-7 SUV CONCEPT」を披露した。2018年初めに北米市場向けに発売する予定で、同社のラインアップとしては2005年に北米向けに発売した「B9 トライベッカ」を含めても最大の車両サイズとなる。パワートレインは未定。
富士重工業は2016年11月18日(現地時間)、「ロサンゼルスオートショー2016」(プレスデー:11月16〜17日、一般公開日:11月18〜27日)において、3列シートのミッドサイズSUVのコンセプトモデル「VIZIV-7 SUV CONCEPT」を披露した。2018年初めに北米市場向けに発売する予定で、同社のラインアップとしては2005年に北米向けに発売した「B9 トライベッカ」を含めても最大の車両サイズとなる。パワートレインの設定については未定。
全長5200mmでもプラットフォームはインプレッサと共有
VIZIV-7 SUV CONCEPTは外形寸法が全長5200×全幅2030×全高1860mmで、5人乗りSUV「レガシィ アウトバック」よりも一回り以上大きい。ホイールベースは2990mm、タイヤサイズは265/55 R21となっている。
車両サイズは大きく異なるが、2016年10月に発売した「インプレッサ」(全長4460×全幅1775×全高1480mm、ホイールベース2670mm)と同じ「スバル グローバル プラットフォーム」を採用する。
このプラットフォームは、衝突安全性能と運動性能の両方を向上させた。より効率的な衝突エネルギーの吸収を可能にするフレーム構造とし高張力鋼板の採用拡大を進めることで、衝突エネルギー吸収率を現行モデル比で1.4倍に向上している。また、低重心化も図っている。車体の剛性向上や足回りの進化との相乗効果で、旋回して危険を回避する場合にも安定して走行でき、高性能なスポーツモデルと同等の危険回避性能を実現するという。これにより“動的質感”(運動性能のよさ)も高めた。
VIZIV-7 SUV CONCEPTに搭載するエンジンについては未定となっている。なお、運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」は搭載されるようだ。
富士重工業は過去にもVIZIV-7 SUV CONCEPTと同等のサイズであるB9 トライベッカ(後にトライベッカに改称)を北米市場に展開していた。B9 トライベッカは排気量3.0l(リットル)の水平対向6気筒エンジンを搭載。5速ATを組み合わせた。2007年の大幅改良では、水平対向6気筒エンジンの排気量を3.6lまで増やした。
マツダは一足先にSUV投入、CX-9
マツダも同様のサイズのSUV「CX-9」を一足先に発売している。CX-9は7人乗りで、車両サイズは全長5075×全幅1969×全高1747mm。排気量2.5lの直噴ターボガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」を搭載している。マツダの新世代ガソリンエンジンでは初となるターボエンジンだ。CX-9は、従来の排気量3.6lのV型6気筒エンジンから、新モデルでは同2.5lの直列4気筒ターボエンジンにダウンサイズした。
また、マツダはCX-9よりも小型の「CX-5」の新モデルをロサンゼルスオートショー2016で発表している。
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