中国医療機器市場についての調査結果を発表:医療機器ニュース
シード・プランニングは、中国の医療機器市場に関する調査結果を発表した。2015年の医療機器市場(生産高)は前年比で11.6%増の4兆502億円となり、初めて4兆円の大台を突破した。同社では中国の医療機器市場は引き続き拡大すると見ている。
シード・プランニングは2016年10月21日、中国の医療機器市場に関する調査結果を発表した。この調査は、中国政府が公表した資料と、上場医療機器企業各社が公表している「2015年度報告書」を基にしている。
中国政府が公表した「2015年医薬工業主要経済指標状況」によると、2015年の医療機器市場(生産高)は前年比で11.6%増の4兆502億円となった。初めて4兆円の大台を突破し、2010年に比べると約2倍に拡大した。2010年から2015年までの年平均伸び率は16%となっている。
また、上海・深圳証券取引所に上場している医療機器企業の24社(CRO、人間ドックなどを専業とする企業を除く)の2015年総売上高は、前年比20.6%増の約5231億円となり、医療機器市場全体の伸び率11.6%を大きく上回った。ただし、前年の27.1%増からは、6.5ポイント下落した。
輸入医療機器に関して、中国税関の資料によれば、2015年の医療機器の輸入額は前年より9.8%増の1兆8185億円となっている。2008年に比べ3.3倍となった。輸入医療機器の承認件数については、日本は401件で、アメリカ、ドイツに次いで第3位だった。金額構成は、超音波画像診断装置、X線コンピュータ断層撮影設備、医療用X線の附属設備、義肢装具などが上位を占めている。
現在、中国政府が医療費を抑制する改革を実施していることや、中国経済成長の減速によって、医薬品・医療機器市場が停滞するのではないかと懸念されている。しかし、中国のGDPはここ数年6〜7%ずつ伸びており、1990年代からの医療機器市場の伸び率は常にGDPの伸び率を上回っている。
さらに、医療保険制度の拡大や、急速な高齢化、健康意識の向上による受診の増加、生活習慣病患者の増加といった要因もあり、たとえ経済成長が落ち込んでも、医療機器市場は引き続き拡大し、それがGDPの伸び率を下回ることはないと考えられる。
同社では、医療機器市場(生産高)は2025年には8兆円を超えると予測している。
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