トヨタ、ダイハツ、スバル連合の新型コンパクトトールワゴン、3社で月販9000台:エコカー技術(1/2 ページ)
トヨタ自動車、ダイハツ工業、富士重工業の3社は、新型コンパクトハイトワゴンの月販目標を合計9000台とした。「(ソリオには)燃費の数字では負けるが、取り回しの良さやスペースは勝っている」と、ダイハツ工業 取締役 専務執行役員 Dブランドオフィス長の戸田茂晴氏は自信を見せている。
トヨタ自動車、ダイハツ工業、富士重工業は、スズキのコンパクトハイトワゴン「ソリオ」に対抗する新型車の月販目標を3社合計で9000台に定めた。「(ソリオには)燃費の数字では負けるが、取り回しの良さやスペースは勝っている」と、ダイハツ工業 取締役 専務執行役員 Dブランドオフィス長の戸田茂晴氏は自信を見せる。新開発の排気量1.0l(リットル)のターボエンジンによる、“余裕のある走り”でもソリオとの差別化を図る。
ソリオに燃費は負けるけれど
新型コンパクトトールワゴンのパワートレインは、排気量1.0lのガソリンエンジンでターボチャージャー付きと自然吸気(NA)の2種類だ。ターボエンジンの方はダイハツ工業が新規に開発した。
NAエンジンは「高速道路を使わない、街乗りだけのユーザー向け」(ダイハツ工業の説明員)。ターボエンジンは排気量1.5lのNAエンジン(トヨタ自動車では「シエンタ」「カローラ」に搭載)に相当する最大トルクを発揮。これにより、「この車体でも高速道路でもストレスなく運転できることを目指した」(同社の説明員)。
ターボエンジンはNAエンジンと比較してコストが増加するが、既存のNAエンジンに過給機を追加することで部品の共通化が図れたためコストを抑えられたという。車両価格はNAが146万円から、ターボモデルが180万円からという設定だが、「この価格ほどのコスト差はない」(ダイハツ工業の説明員)。
排気量1.0lのターボエンジンの開発にあたっては、翼車の回転がよい低イナーシャのターボチャージャーを採用するなど、軽自動車のターボエンジンの技術を取り入れたという。低イナーシャのターボチャージャーは、加速の立ち上がりでの回転が速く、低回転域でも最大トルクを発揮する。「ターボエンジンは、想像以上によく走ると感じてもらえるだろう」(ダイハツ工業の説明員)。また、排気量1.5lのNAエンジンを搭載するよりもコストが抑えられており、燃費も排気量1.5lのNAエンジンより良好だという。
新開発の1.0lターボ、トヨタ自動車への供給は
気になるのが新開発のターボエンジンをどのように展開していくかだ。ターボエンジンのベースは3気筒の「1KR-FE」で、トヨタ自動車とダイハツ工業が共同開発したコンパクトカー「パッソ/ブーン」に初代モデルから搭載されている。この他にもトヨタ自動車では「ヴィッツ」に採用している。
ダイハツ工業の軽自動車を除いたコンパクトカーのラインアップはブーンのみ。ブーンは、想定ユーザーの使い方ではターボエンジンは不要だとして、排気量1.0lのNAエンジンしか設定していない。ルーミー/タンク以外にもトヨタ自動車で採用車種を増やすことが考えられるが「現在、決まっていることは何もない」(ダイハツ工業の説明員)としている。
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