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「サイドミラーをなくすのは非現実的」、ミラーレス化に異を唱えるジェンテックス車載情報機器(1/2 ページ)

ミラーメーカーのジェンテックスが、カメラ映像の表示と鏡面とを切り替え可能なルームミラーの提案に力を入れている。2016年以降、北米自動車メーカーから搭載モデルが順次販売される。サイドミラーも手掛けるジェンテックスだが、サイドミラーをカメラで置き換えるミラーレス化には消極的だ。

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 GENTEX(ジェンテックス)が、カメラの映像で後方視界を広げるスマートルームミラーの提案に力を入れている。既にレースでの採用が進んでいる他、北米自動車メーカーの複数の2017年モデルで搭載が決まっている。日光による白とびや暗がりの撮影に対応した画像処理技術や、ルームミラーの筐体とさまざまな機能の一体化を強みとする。

 ジェンテックスはルームミラーだけでなくサイドミラーも手掛けるが、サイドミラーを廃してカメラに置き換えるミラーレス化には異を唱える。「カメラが撮影に向かない状況に置かれることは多い。カメラが壊れた時に後方視界を失うのは現実的じゃない」(ジェンテックス)。

スマートルームミラー、日本では日産が積極的

ジェンテックスのCraig Piersma氏
ジェンテックスのCraig Piersma氏

 スマートルームミラーは、国内では日産自動車が採用した。SUVの「エクストレイル」やミニバンの「エルグランド」「セレナ」に設定している。一般的なルームミラーとして使用できる他、スイッチで鏡面の全てを液晶ディスプレイに切り替えて、車両後方のカメラの映像を投影して後方視界を確保する。荷室の大きな荷物や後部座席の乗員で視界を遮られる場合に、カメラ表示に切り替えることで後方を確認しやすくなる。

 ジェンテックスのスマートミラーも日産自動車と同様にスイッチで鏡面とスマートルームミラー表示に切り替えられる。

 北米市場では、こうしたスマートルームミラーが適したSUVやピックアップトラックが人気だが、ジェンテックス マーケティングディレクターのCraig Piersma氏は「セダンやコンパクトカーであってもメリットは大きい」という。ベルトラインが前下がりになるデザインや、ピラーの配置によってリアウィンドウが小さくなる傾向にあるためだ。

 実際に、ジェンテックスのスマートルームミラーを搭載したBMWの「MINI クーパーS クラブマン」で試してみた。ルームミラーが鏡面の場合は、後部座席の乗員やヘッドレストで後方視界はかなり遮られる。片側3車線の道路に出ると、鏡面では真後ろの1車線を見るのが精いっぱいだが、スマートルームミラー表示に切り替えると3車線全てを確認することができた。

鏡面スマートルームミラー 鏡面の状態では後方視界がかなり遮られる(左)。スマートルームミラー表示に切り替えれば、走行中は3車線分の後方の車両を確認できる(右)(クリックして拡大)
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