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富士通が量子コンピュータ超える新AI技術、グラフ構造データへの深層学習適用も:人工知能ニュース(4/4 ページ)
富士通研究所が人工知能(AI)技術の最新成果を発表。「量子コンピュータを実用性で超える新アーキテクチャを開発」と「人やモノのつながりを表すグラフデータから新たな知見を導く新技術『Deep Tensor』を開発」の2件である。
2017年度上期中に「Zinrai」で提供へ
「Deep Tensor」と呼ばれる今回の成果は2つの技術によって実現された。1つは、グラフ構造のデータを統一的表現に変換する、新たなテンソル分解技術である。多様な表現形式を持つグラフ構造のデータを、ベクトルや行列を拡張したテンソルと呼ばれる数学表現を用いて表現する。これを最先端のデータマイニング技術である「テンソル分解」と呼ばれる数学的操作を用いて統一的な表現形式に変換する。
もう1つは、ニューラルネットワークの学習と同時に統一的表現を最適化する技術だ。ニューラルネットワークの学習過程で、通常用いられている「誤差逆伝搬法」の適用範囲をテンソル表現まで拡張することにより、分類精度を最大化するように統一的表現も同時に最適化する。
既に、フィンテックを使った口座間取引における信用リスク予測の誤検知率約20%削減、IoT(モノのインターネット)の通信ログにおける不正通信検知の誤検知率約30%削減、IT創薬のバーチャルスクリーニングにおける結合予測精度約10%向上といった成果も得られている。
今後は2017年度上期中をめどに、富士通の人工知能プラットフォーム「Zinrai」による実用化を進めていくという。
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