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大学4年生になっても続けたい、学生フォーミュラでのクルマづくり車を愛すコンサルタントの学生フォーミュラレポ2016(2)(6/8 ページ)

学生フォーミュラのピットを周ってみると、各校の個性が見えてくる。マシンのコンセプトが異なるのはもちろん、苦労していることや抱えている課題もさまざまだ。取材に快く応えて生き生きと話してくれる、学生たちの笑顔がまぶしい。

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#18 東京農工大学(TUAT Formula)

 続いては、カウルが外され、細いスチールパイプのスペースフレームの美しさが際立つマシンNK12、東京農工大学のピットを訪れました。キャプテンの三好淳之介さんにお話を伺います。

MK12の前に立つのはメンバーの浅岡大和さん(写真左)とキャプテンの三好淳之介さん
MK12の前に立つのはメンバーの浅岡大和さん(写真左)とキャプテンの三好淳之介さん(クリックして拡大)

 動的審査はいかがでしたか?

三好さん それが、エンデュランスではドライバー交代時に冷却水漏れを指摘され、10周しか走れませんでした。アクセラレーションとスキッドパッドは、当日の朝に車検が通ったので、出走しようと順番待ちをしていたところ、ローダーが間に合わず結局出走できませんでした

筆者注:2015年大会より動的審査エリアとピットの位置が離れたため、主催者側が用意するローダーでマシンを運搬しなければなりません。2014年までは審査エリアに隣接する駐車場に各チームがテントを立ててピットにし、エリアまではメンバーがマシンを押して移動させるという形態だったので、そのような問題はありませんでした。ただ、ゲリラ豪雨などが頻発する昨今なので、スタジアム外周の屋根のあるエリアをピットにすることは安全上からも好ましい配慮ではあります。こうしたメリットを生かしながら、ローダー待ちのデメリットをなくす手段はないものでしょうか。

三好さん オートクロスはドライ路面で走れたため、1分4秒台とまずまずのタイムで走れ、30位台には入れたと思います(公式記録では64秒339、パイロンタッチ1回の66秒339で35位)。

 マシンの特徴を教えてください。

三好さん このマシンのコンセプトは「EASY」、つまり扱いクルマを目指しました。そのために前後重量配分50:50にはこだわっています。アピールポイントとしては3Dプリンタで造形したインテークマニホールド、ステアリングにセットしたインフォメーションパネル、パドルで動作する電動シフターです。

 エンジンは何を積んでいますか?

三好さん HONDA CBR600RR、4気筒です。

 エンデュランスのドライバー交代時にリタイアというと、セカンドドライバーは悔しかったよねぇ。

三好さん はい。セカンドドライバーは自分だったんです……。

 ありゃ! それは本当に残念だ! 「EASY」というコンセプトが実現できたかを、2人のドライバーのタイム差が少ないことで実証したかったよね。

三好さん はい、でもファーストドライバーは1分10秒付近でコンスタントに周回を重ねたので、ある程度実証できたのかなとは思っています。

 完走したかったよね……。

三好さん はい、事前に何度も行ったテスト走行では冷却水周りは何の問題もなかったので、まさか本番で問題が出るとは思いませんでした。

 競技とはそういうものなのでしょうね。2017年大会も頑張ってください! ありがとうございました!

美しいフレームと3Dプリンタで造形したマニホールド。リタイヤの原因となった冷却系も見える
美しいフレームと3Dプリンタで造形したマニホールド。リタイヤの原因となった冷却系も見える(クリックして拡大)

 最終成績は動的審査の結果が響いて43位と、前回の18位から大きく順位を下げてしまいましたが、地力のあるチームですので、次回大会の活躍に期待しましょう!

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