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トイレのスマート化から始められる!? IoT活用は「フェールファーストで実現を」製造業IoT(2/3 ページ)

ユニアデックスは、IoT(モノのインターネット)の活用に関する取り組みについて説明した。同社の山平哲也氏は、IoT活用のアプローチとして「Fail Fast(フェールファースト)で実現を」と説き、トイレの個室をスマート化する「スマートトイレルーム」などさまざまな活用シナリオ/デモを紹介した。

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フォグコンピューティングで故障の予兆検知

 会見では、活用シナリオ/デモが幾つか紹介された。

 1つ目は、産業機器や精密機器などの故障の予兆をIoTを使って検知する事例だ。こういった故障の予兆検知を行う場合、IoTであるセンサーからのデータをクラウドにそのまま上げて分析することが多いが、データ量の増大によるクラウド利用料金の高騰、機密情報の取り扱い、クラウド上での分析によるリアルタイム性の低さなどが課題になる。

 ユニアデックスが発表した活用シナリオ/デモでは、同社の札幌テクノセンター内に水を行き渡らせる揚水ポンプの故障の予兆検知を行うために、エッジデバイス側でデータ処理を行うフォグコンピューティングを利用した。

故障の予知検知を行う活用シナリオ/デモのシステム構成故障の予知検知を行う活用シナリオ/デモのシステム構成 故障の予知検知を行う活用シナリオ/デモのシステム構成。フォグコンピューティングを利用している(クリックで拡大) 出典:ユニアデックス

 揚水ポンプの動作音をマイクで収録してから、エッジデバイスであるノートPCで処理し、IoTゲートウェイ経由でクラウドに送信するというシステム構成だ。フォグコンピューティングのため、IoTゲートウェイに米国ベンチャーのミドルウェア「FogHorn」を組み込んだ。故障の予兆検知については、直近10分間の動作音データからエッジデバイス側での機械学習によって異常状態を検知することで実現している。

会見では、札幌テクノセンターの揚水ポンプの近くで大きな音をわざと発生させることで、機械学習による異常状態検知が行えていることを示した(クリックで拡大)

 結果として、フォグコンピューティングでデータ量を約500分の1に圧縮でき、エッジデバイスの限られた能力でも機械学習による分析を行えることが分かったという。

 2つ目は「コネクテッドワーカー」。製造業や建設業やの現場で発生している労働災害から、IoTであるセンサーデバイスを活用して労働者を守ろうというものだ。アルプス電気製のIoTマルチセンサーを取り付けたバッジを装着し、温度と湿度から導出する暑さ指数、労働者の姿勢、労働者周辺の照度をモニタリングするシステムだ。

「コネクテッドワーカー」のモニタリング画面
「コネクテッドワーカー」のモニタリング画面(クリックで拡大)

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