本記事は、CADを快適な環境で使ってもらうソリューション専門街「CADJapan.com」から転載しています。
設計の時点でコストの「見える化」を
3D CAD導入のメリットとして、「見える化」による効果が挙げられます。今まで2D CADで表現されていた複雑な「絵」が、みんなが分かる「立体」となり、さまざまな意見交換の場でその威力を発揮しています。
最近ではますます、この「見える化」に対する要求が高まってきているように感じられます。「コストの見える化」に関する相談も増えてきています。
お客さまに現状をお聞かせいただく中で、多い内容としては、
- 「図面から穴や曲げなどを全て目視で拾っていて大変」
- 「材料の重さでコストを算出しているから、加工費はあまり考慮していない」
- 「受注後、工場とやりとりをしないと正確な見積もりが分からないので、結局赤字になることがある」
といったものになります。
3Dデータには、コスト計算に必要なさまざまな情報が既に入力されています。例えば穴の大きさ・形・向きや板の曲げ角度・板厚といった情報が3Dデータには含まれています。
これらを自社のコスト計算ロジックに合わせて抽出することで、「短時間で!」「自社の根拠となる数字で!」「設計段階という早い時期に!」コスト確認が可能になります。
このように、3Dデータを利用することにより、今までぼんやりしていたコストが見えるようになる、まさに「コストの見える化」だと思いませんか?
せっかく設計者が時間を掛けて作っている3Dデータです。
3Dデータは、2Dデータよりも非常に多くの情報が入力される訳ですから、十分活用しないと3D CADを使った設計自体が無駄に思えてしまうかもしれません。そのようなマイナス思考に陥ってしまう前に、時間を掛けて作っている3Dデータをもっと活用して費やした時間を有効なものに変換していきましょう。
◎併せて読みたい「CAD」関連ホワイトペーパー:
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