BMWの電気自動車「i3」が全面改良、走行距離はレンジエクステンダー付で511km:電気自動車
ビー・エム・ダブリューは、電気自動車の「i3」を全面改良し、2016年10月1日から販売を開始する。一充電当たりの走行距離はJC08モードで390km、レンジエクステンダー(発電用エンジン)搭載モデルは満充電かつ燃料タンクが満タンの場合で511kmとなる。車両価格は先代モデルから据え置いた。
ビー・エム・ダブリューは2016年9月27日、電気自動車の「i3」を全面改良し、同年10月1日から販売を開始すると発表した。一充電当たりの走行距離はJC08モードで390km、レンジエクステンダー(発電用エンジン)搭載モデルは満充電かつ燃料タンクが満タンの場合で511kmとなる。歩行者検知対応の自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロール、縦列駐車のステアリング操作を自動で行うパーキングアシストが一部グレードで標準装備となる。車両価格は先代モデルから据え置きで、ベースグレードが499万円、レンジエクステンダー搭載モデルは546万円から。
走行距離はデビュー当初から1.7倍に
i3は2013年11月に国内発表され、2014年から納車がスタートした。当初の報道では、一充電当たりの走行距離は130〜160kmで、レンジエクステンダーを組み合わせても300kmとされていた。その後、JC08モードに基づく一充電当たりの走行距離は229kmと発表されている(レンジエクステンダーを使用する場合は300kmで変わらず)。
今回、新型i3は容量を22kWhから33kWhに増やした新開発のリチウムイオン電池を搭載した。エネルギー密度を向上することで、バッテリーの外形寸法は維持している。走行距離は先代モデルの1.7倍となる390kmに伸びた。駆動用モーターは最高出力125kW/最大トルク250Nmで、先代モデルと同等だ。
BMWの本社があるドイツでは、先代モデルのユーザーが新型i3と同じ新開発のバッテリーに交換できるようにする「レトロフィットプログラム」を発表している。このサービスを提供するのは限られた市場のみとしている。交換後の古いバッテリーは、定置用蓄電池で再利用するという。
レンジエクステンダー搭載モデルの走行距離も、従来比で1.7倍となる511kmまで延長した。東京−大阪間に相当する距離だ。レンジエクステンダーで121km分の走行距離を稼ぐ。レンジエクステンダーの発電用エンジンは直列2気筒のエンジンで排気量が647cc、最高出力28kW/最大トルク56Nm。9l(リットル)の燃料タンクも搭載する。
グレードはインテリアのデザインごとに3つ
グレードはインテリアのデザインによって分かれている。クールで品質を主張する「ATELIER」(アトリエ)がベースグレードで、この他にもモダンでナチュラルな印象を強調する「LODGE」(ロッジ)、上質さや高級感を追求した「SUITE」(スイート)を揃えている。
ボディーカラーには、これまでプラグインハイブリッド車「i8」の専用色だったプロトニックブルーを追加する。
新型i3はエコカー免税の対象となる。さらに、経済産業省が推進する「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」の対象にもなっており、最大36万5000円の補助を受けられる。従来モデルの現在の補助額よりも12万6000円増えた一方で、販売価格は据え置いていることから実質的には値下げになる。
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