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ADASや自動運転、電動化でトランスミッションはどう変わる?シェフラージャパン 技術インタビュー(1/3 ページ)

エンジンの高効率化、電気自動車やハイブリッド車などの電動化、運転支援機能での走る曲がる止まるの制御など、トランスミッションを取り巻く環境は変化している。また、ATやMT、CVT、DCT、AMTなどさまざまな種類のトランスミッションが存在する中で、それぞれの採用比率はどう変動していくのか。

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 エンジンの高効率化、電気自動車やハイブリッド車などの電動化、運転支援機能での走る曲がる止まるの制御など、トランスミッションを取り巻く環境は変化している。また、一般的なトルクコンバーター式ATやMT、CVT(無段変速機)、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)、AMT(自動マニュアルトランスミッション)などさまざまな種類のトランスミッションが存在する中で、それぞれの採用比率はどう変動していくのか。今後の技術課題も含めて、シェフラージャパン 自動車事業部 トランスミッションテクノロジー部 ジェネラルマネージャーの中澤智一氏と同社 ジャパンエグゼクティブボード チーフテクノロジーオフィサーの栗城剛氏に話を聞いた。

生き残るのはどのトランスミッション?

シェフラージャパンの中澤智一氏
シェフラージャパンの中澤智一氏

MONOist さまざまな種類のあるトランスミッション、市場動向をどのように見ているか。

中澤氏 世界シェアの半分がMT、残りをAT/CVT/DCTで分けあうという大まかな動向は変わらないだろう。内燃機関のクルマと組み合わせると、どのトランスミッションでも機械的な効率や燃費や快適性は大差なくなってきたからだ。昔のように「ATは燃費が悪く、MTの方が良い」という違いはなくなり、差はコンマ何%という究極に近い段階に来ている。

栗城氏 それぞれのトランスミッションは、不利なところを改善する方向に進んでいく。MTは発進時のエンストをなくすために、「Eクラッチ」(切断と発進が一体化された自動クラッチ)で快適性を向上する。ATは多段化が進んでおり、CVTはスポーティーさを演出したりMT風の味付けをしてみたり……と運転する人にとっては差がなくなっていく。

中澤氏 どのタイプのトランスミッションが増減するかというのは、クルマの使われ方や地域性によってすみ分けが明確に進んでいく。例えば、快適さを重視する人が大多数になった結果が、MTがほとんどない日本市場だ。欧州でMTが多いのは、MTで困らないからだ。信号や渋滞が少ないし、目的地まで200km走って発進が3回しかなかったということもある。アイドリングストップも出番が少ない。

 運転が楽しいからといって日本でMTを運転するのは負担がある。道路事情によって何を選ぶかが決まる。新車販売が拡大し、中上級車種が増え始める新興国市場でどのトランスミッションが選ばれていくかは、それぞれの国で道路事情がこれからどうなっていくかにかかっているだろう。

電動化とトランスミッション

MONOist 内燃機関ではなく電動車が対象になると、トランスミッションに変化は。

中澤氏 ハイブリッド車や電気自動車がさらに増えてくると、電動車専用のトランスミッションはどれが良いかという議論が盛んになる。さまざまな視点から考えられており、数年で答えが出てくるのではないか。

 具体的には、ハイブリッドシステムに多段ミッションを組み合わせるという考えと、モーターにがんばってもらってシンプルなトランスミッションでクルマをつくるという両方の流れが明確になってくるだろう。シンプルなトランスミッションというのは、3速ATや小型のCVTだ。MTにEクラッチを付けて半自動化に振ることも考えられる。

栗城氏 モーターが補う領域やエンジンが得意な領域があると、トランスミッションが選ぶ領域が少しずつ減っていく。そうなると多段ATよりも、段数が少ないシンプルなものでよいのかもしれない。

 われわれはトランスミッション用の部品を供給する立場だが、自動車メーカーやトランスミッションメーカーは、トランスミッションの型式を一度決めると、それを一部改良しながら長く使って行く傾向にあることはよく分かっている。ガラッと変わるのではなく、今までの生産ラインを活用できる形にしたり、制御で味付けしながら欠点を補うような、ゆっくりとした変化になるだろう。

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