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“言行一致”のIoTソリューションで製造品質を見える化する製造業×IoT キーマンインタビュー(1/4 ページ)

製造業がIoTの活用を模索する中で、自社のモノづくりにおける実践事例を“製造業向けIoTソリューション”に仕立てて外販する事例が増えている。富士ゼロックスも「SCQM」と名付けた製造品質の見える化ソリューションを自動車業界などに展開中だ。同社執行役員の永岡大治氏に、いち早くSCQMを展開できている背景などについて聞いた。

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 製造業がIoT(モノのインターネット)の活用を模索する中で、自社のモノづくりにおける実践事例を“製造業向けIoTソリューション”に仕立てて外販する事例が増えている。複合機大手の富士ゼロックスもその1社であり、既に「SCQM(Supply Chain Quality Management System)」と名付けた製造品質の見える化ソリューションを自動車業界などに展開している。同社 執行役員 ソリューション・サービス開発担当 兼ソリューション・サービス開発本部長の永岡大治氏に、いち早くSCQMを展開できている背景などについて聞いた。

※2016年9月1日付の役員人事異動で、永岡氏は執行役員 機器制御技術開発および関連ソフトウェア開発担当 兼コントローラ開発本部長に就任。代わって、執行役員 ソリューション・サービス開発担当 兼ソリューション・サービス開発本部長には、執行役員 機器制御技術開発および関連ソフトウェア開発担当 兼コントローラ開発本部長を務めていた戸井哲也氏が就任している。

本連載の趣旨

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ITmedia産業5メディア総力特集「IoTがもたらす製造業の革新」のメイン企画として本連載「製造業×IoT キーマンインタビュー」を実施しています。キーマンたちがどのようにIoTを捉え、どのような取り組みを進めているかを示すことで、共通項や違いを示し、製造業への指針をあぶり出します。
⇒連載のバックナンバーはこちらから


MONOist まず、富士ゼロックスでどのようなモノづくりを行っているについてお聞かせください。

富士ゼロックスの永岡大治氏
富士ゼロックスの永岡大治氏

永岡氏 当社は富士フイルムと英国Xerox(ゼロックス)の合弁企業であり、複合機の製造と販売、サポートサービス、文書管理ソリューションなどを、日本国内とアジア太平洋地域に展開している。研究開発は国内に集約する一方で、製造拠点は国内外に分散している。複合機などのハードウェアの組み立ては中国などで、トナーや機能部品の内製は国内を中心に行っている。

 モノづくりの考え方については、複合機の組み立てはゼロックスから、部品/材料は富士フイルムからと両方から継承している。組み立て系とプロセス系、両方の製造技術を持っていることは独自のモノづくりの発想につながっている面があるかもしれない。

 このほど外販を始めたSCQMは、これら国内外の製造拠点における実践例をソリューションとしてまとめたものになる。

MONOist SCQMを構築するまで、さまざまな試行錯誤があったと思います。どのようなモノづくりを実践してきたのでしょうか。

永岡氏 当社は「富士ゼロックスプロダクションウェイ(XPW)」という考え方でモノづくりを行っている。XPWの最大の狙いは「不良品を入れない」「不良品を作らない」「不良品を出さない」「類似問題を繰り返さない」という4つの「ない」の実現により、ロスゼロを目指すことだ。

富士ゼロックスプロダクションウェイの目指すところ
富士ゼロックスプロダクションウェイの目指すところ(クリックで拡大) 出典:富士ゼロックス

 SCQMの基になった生産見える化の取り組みは2006年に始まった。当社ではかつて、大きな発火事故を起こしたことがあった。そこで、トップダウンによるトレーサビリティの実現に取り組んだのが発端だ。しかしこのときは、本社側主導で開発したことなどもあって、製造現場の利用実態と合わずあまり効果がなかった。

 ただしそこから徐々に、生産データの取得による見える化に現場がメリットを感じるようになり、せっかくだから使えるものにしようと考えるようになった。製造現場の視点が組み込まれ、現場の人間にとって使えるようにするためのアプリケーション開発が相まって、SCQMの完成度は高まっていった。

 結果として、見える化したことにより自然と改善が進んだことになる。トレーサビリティ実現を目的とした当初の取り組みから、トライ&エラーがありながら5年以上かかったもののSCQMは“使える”ものになった。

富士ゼロックスの生産見える化の取り組み
富士ゼロックスの生産見える化の取り組み。製造現場の視点を導入することでSCQMの完成度は高まっていった(クリックで拡大) 出典:富士ゼロックス

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