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工場内ネットワークを守る運用手法とトラブル対処法工場用イーサネット入門(6)(2/3 ページ)

インダストリー4.0や工場向けIoTなどに注目が集まっていますが、そもそも工場内のネットワーク環境は、どのように構築すべきなのでしょうか。本連載では、産業用イーサネットの導入に当たり、その基礎から設備設計の留意点などを含めて解説していきます。最終回となる今回はネットワークを守る運用手法やトラブル対処の方法を紹介します。

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IT系ツールを用いたネットワーク機器の監視

 IT系システムでは、ネットワーク監視は、監視ツールを利用して自動化することが一般的です。監視ツールもさまざまな種類がありますが、監視する内容については大きく2つがあります。「1.死活監視」と「2.状態監視」です。いずれも「賢いスイッチ(インテリジェントスイッチ、マネージドスイッチ)」でなければ監視を実現できません。

1.死活監視

 死活監視とは、ネットワーク機器の通信が可能な状態かどうかを確認することを指します。確認する手法として、ICMP(Internet Control Message Protocol)という通信プロトコルを用いたpingというコマンドを使用します。これによってIP通信の制御や通信状態を調査します。うまく通信ができないときに「ピン(ピング)が届く、届かない」という会話をするときにも使われているプロトコルです。以下図のように、ICMPを用いて、監視ツールからネットワーク機器や端末への通信状況を確認します。

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図1 ICMPを用いた死活監視の仕組み(クリックで拡大)出典:ネットワンパートナーズ

2.状態監視

 状態監視とは、ネットワーク機器のCPUやメモリ使用率や、トラフィック量、エラーなどを確認することです。死活監視に比べて、より細かい情報を取得可能で、一定の閾値を基準として状態を監視することができます。確認する手法としては、SNMP(Simple Network Management Protocol)やSyslogといった通信プロトコルを利用します。SNMPはネットワーク機器やサーバなどの通信機器の状態監視や制御するためのもので、MIB(Management Information Base)という機器情報をネットワーク経由で取得することで状態監視をします。

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図2 SMNPを利用した状態監視の仕組み(クリックで拡大)出典:ネットワンパートナーズ

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