新型「セレナ」は「スマートルームミラー」も高画質化:安全システム
日産自動車が2016年8月24日に発表した5ナンバーミニバン「セレナ」の新モデルには、表示をより高画質にした「スマートルームミラー」がメーカーオプションとして設定された。
日産自動車が2016年8月24日に発表した5ナンバーミニバン「セレナ」の新モデルには、表示をより高精細にした「スマートルームミラー」がメーカーオプションとして設定された。
スマートルームミラーは、一般的なルームミラーとして使用可能な一方、スイッチで鏡面の全てを液晶ディスプレイに切り替えて、車両後方のカメラの映像を投影して後方視界を確保する。荷室の大きな荷物や後部座席の乗員で視界を遮られる場合に、カメラ表示に切り替えることで後方を確認しやすくなる。SUVの「エクストレイル」やミニバンの「エルグランド」、先代セレナにディーラーオプションとして設定されている。
今回、新型セレナには、映像の伝送方式をデジタルに変更したスマートルームミラーを用意した。旧型のスマートルームミラーと比較するとカメラの画素数は130万画素で変わらないが、フレームレートが30fpsから60fpsに増加し、より滑らかな表示となる。
また、旧型にはなかったハイダイナミックレンジ(HDR)機能を搭載し、明暗差が激しい場所でも白とびや黒つぶれを防いで撮影する。カメラのダイナミックレンジは70dBから100dBに拡大した。
新しいスマートルームミラーは、他モデルにも順次展開していく。
スマートルームミラーは、ルームミラーでは得られにくい後方視界の確保にカメラを活用した機能の1つ。サイドミラーに関しては、カメラを活用して“ミラーレス”にする開発が進んでいる。法的には、日本国内でもサイドミラーのないクルマが走行することが既に認められている。
スマートルームミラーのような機能を通じてカメラの映像で視界を得る感覚が定着していけば、サイドミラーのないミラーレス車の製品化も時期が早まるかもしれない。
関連記事
- 新型「セレナ」は室内長が180mm広がる、上側だけ開く「デュアルバックドア」も
日産自動車は、5ナンバーミニバン「セレナ」の新モデルを発表した。同一車線上自動運転技術「プロパイロットの標準搭載に加えて、競合となるトヨタ自動車の「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」、ホンダの「ステップワゴン」を上回る室内長と室内幅を確保したことを特徴とする。 - 日産の「スマート・ルームミラー」はどこがスマートなのか
日産自動車の開発した「スマート・ルームミラー」は、鏡を使った一般的なルームミラーとして使用可能な一方で、鏡面の全てを液晶ディスプレイに切り替えて、車両後方の映像をクリアに表示することもできる「世界初」(同社)のシステムだ。利用イメージの映像も公開されている。 - サイドミラーなしのクルマが解禁、鏡がカメラに置き換わるとどうなる?
2016年6月から日本国内で“ミラーレス車”の公道走行が解禁になる。車両外部に装着したカメラで後方/後側方の間接視界を確保する代わりに、サイドミラーをなくすことが認められる。カメラに置き換われば、空気抵抗の低減やミラー分の軽量化を図ることができる。夜間の視認性向上や、運転支援など安全面の進化も見込まれる。 - 3つのカメラ映像で格段に広い後方視界、ただし“ミラーレス”の違和感も大きい
物理的なミラーの代わりにカメラとディスプレイを使って後方視界を確保する、BMWの「i8ミラーレス」の試乗レポートをお送りする。併せて、BMWが「CES 2016」で発表した「iビジョン・フューチャー・インタラクション」など、同社の次世代技術についても紹介しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.