第4次産業革命で「製造業がサービス業になる」ってどういうこと?:いまさら聞けない第4次産業革命(6)(2/3 ページ)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第6回では、第4次産業革命で進むとみられる「製造業のサービス化」についてご紹介します。
第4次産業革命における製造業のビジネスモデル変革とは
グーチョキパーツ社長に「第4次産業革命をうちもやらんといかん」といわれて以来、矢面氏は相変わらず、印出氏の研究所に入り浸っています。ただ、第4回の「なぜ第4次産業革命を推進する団体が乱立しているの?」で「グーチョキパーツもどこかの団体に入ってみたら」と言われてから、印出氏の話を聞くだけだった状況からは徐々に変わってきたようですよ。
印出さん、こんにちは。いやあ、熱いですね。
あら、矢面さん、お久しぶり。どうしたの?
印出さんに言われてから、ロボット革命イニシアティブ協議会や、IVIに顔を出してみたんですよ。
どうだった?
いやあ、すごく盛り上がってましたね。いろんな企業の人たちとあんなに熱く議論するなんて体験なかったので新鮮でした。中小企業も思ったより参加していましたね。社長にも「参加すべき」と言っておきましたよ。
おや、まあ、急に行動的になったのね。
さて、こうした推進団体でさまざまな企業の考えや意見に触れる中で、矢面さんには新たな疑問が生まれてきたようです。
製造業のサービス化
印出さん、それでまた困ってしまったんですよ。推進団体の議論の中で「製造業のサービス化が大事」っていう話が出たんですけど、サービス化ってどういうことですか。よく分からなくって。
なるほどね。日本では、どちらかといえば工場内の話が多かったけど、そういう議論も盛り上がり始めているのね。製造業のサービス化とは、文字通り「製品」ではなく「サービス」でビジネスを立てるということになるかしら。昔ながらの言葉でいうと「モノ売りからコト売りへ」ということね。
それは聞いたことあります。でも製造業ってモノづくりなわけだから「モノ売り」なわけでしょう。なぜ、この第4次産業革命で「コト売り」が大事になるんですか。
確かに、製造業は「モノを作る」からこそ製造業であるわけです。また「モノ売りからコト売りへ」は、製造業の中では大昔から言われてきたことで、今ここで「第4次産業革命の真価」ともいわれるようなものとは違うようにも思えます。なぜ、「製造業のサービス化」がこれほど注目を集めているのでしょうか。
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