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片道たった250mで無人運転バスの実証実験がスタート、乗車料金は200円自動運転技術(1/2 ページ)

イオンが無人運転バスの試験運行を開始した。期間は2016年8月1〜11日までで、イオンモール幕張新都心に隣接する豊砂公園(千葉市美浜区)の敷地内のみを走行する。車両はDeNAが業務提携しているベンチャー企業、EasyMileが開発した「EZ10」を1台使用する。乗車料金は大人200円、小学生以下100円。

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2016年8月1〜11日の間、イオンモール幕張新都心に隣接する公園を無人運転バスが走る
2016年8月1〜11日の間、イオンモール幕張新都心に隣接する公園を無人運転バスが走る (クリックして拡大)

 イオンは2016年8月1日、無人運転バスの試験運行を開始すると発表した。期間は同日から8月11日までで、イオンモール幕張新都心に隣接する豊砂公園(千葉市美浜区)の敷地内のみを走行する。車両はディー・エヌ・エー(DeNA)が業務提携しているベンチャー企業、EasyMileが開発した「EZ10」を1台使用する。乗車料金は大人200円、小学生以下100円。

 イオン 地域エコシステム プロジェクトリーダーの齊藤岳彦氏は「われわれが当初思い描いた運行コースではないが、安全に走行する環境を整備した実績を積み重ねていくことで、走行範囲を拡大していきたい」と語る。

日本初導入の無人運転バス

写真左からDeNA オートモーティブ事業部の辻口敬生氏とイオンの齊藤岳彦氏
写真左からDeNA オートモーティブ事業部の辻口敬生氏とイオンの齊藤岳彦氏 (クリックして拡大)

 イオンが無人運転バスの試験運行に着手したのは、地域住民や行政、企業などと連携して地域発展を目指す「地域エコシステム」の取り組みの一環だ。今回の試験運行を通じて地域内の交通や移動の進化につなげる。DeNAが提供する無人運転バスを採用したのは、「環境に優しい電気自動車で無人運転が可能な上、安全にも配慮されているから」(齊藤氏)だという。

 この無人運転バスは「日本初導入」(イオン、DeNA)だとしている。乗車定員は着席6人、立ち乗り6人の計12人乗りだが、定員よりも少ない人数で走行させる計画だ。乗り口のスロープを出せば車いすを乗り込ませることもできる。車両のサイズは全長3928×全幅1986×全高2750mm。

バス車内車内2 EasyMile「EZ10」の車内。3人掛けの座席が対面で6人分、立ち乗りは6人まで (クリックして拡大)

 EasyMileが開発したEZ10は、GPSとライダー、車両前方に装着したカメラを使用し、事前に走行して経路の3次元地図を作製する。その3次元地図に基づいて停車位置や走行速度を設定した上で運行する。歩行者や障害物が経路上にある場合は、車両の四隅に装着したライダーが検知して減速/停車する。

3次元地図作成用のライダーカメラタイヤ付近にそれぞれ4つ、ライダーを装着 3次元地図作成用のライダーとカメラ(左、中央)。障害物や歩行者を検知するため各タイヤの付近に1つずつライダーを装着している(右) (クリックして拡大)

 千葉市は、イオンが地域エコシステムを展開する第1弾のエリア。同市の幕張・稲毛地区の取り組みを同市全域に広げていく計画だ。試験運行を行う豊砂公園は、片側一車線の道路を挟んでイオンモール幕張新都心に隣接している。千葉市が所有する土地だが、イオンモールが管理を一部受託している。

安全第一での運行

 無人運転バスは公園の敷地内のみを走行する。「二重三重に確認した上で確実に安全な環境を整えた」(齊藤氏)という。距離にして片道250mで、往復500mをおよそ5分かけて走る。無人運転バスの最高速度自体は時速40kmだが、公園の敷地内では時速10kmまでの速度で運行する。

 無人運転バスが走行するルートには、公園の利用者が立ち入らないよう柵を設けており、誤って立ち入らないよう警備員も配置している。無人運転バスの運行状況は、公園敷地内のテントおよび店舗内から監視する。また、車内にはスタッフが添乗し、発車やドアの開閉を操作する。

車内のボタン車外のボタン 車内外にドアを開閉するボタンがある。操作はスタッフが行う (クリックして拡大)

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