ルノーから189万円のRR車、クルマ好きから軽ユーザーまで狙う:車両デザイン(1/2 ページ)
ルノー・ジャポンは、4人乗りコンパクトカー「トゥインゴ」の新モデルを発表した。Daimlerのsmartブランドで販売する小型車「for four」の兄弟車で、今モデルからリアエンジン/後輪駆動(RR)となった。RRならではの小回りの良さと、189万円からというメーカー小売希望価格を訴求して、日本国内のAセグメント市場の開拓につなげる。
ルノー・ジャポンは2016年7月13日、4人乗りコンパクトカー「トゥインゴ」の新モデルを発表した。トゥインゴはDaimler(ダイムラー)のsmart(スマート)ブランドで販売する小型車「for four(フォーフォー)」の兄弟車で、今モデルからリアエンジン/後輪駆動(RR)となった。RRならではの小回りの良さと、189万円からというメーカー小売希望価格を訴求して、日本国内のAセグメント市場の開拓につなげる。販売は2016年9月15日から。
189万円で乗れるRR
トゥインゴとフォーフォーが車体構造を共有するのは、2010年4月に発表したルノー・日産アライアンスとダイムラーの協業による取り組みの1つとなる。先代のトゥインゴはルノーのBセグメント車「ルーテシア」と共通のシャーシだったが、新規に開発したRRレイアウトとなった。ルノーがRR車を量産するのは1970年代以来となる。
RRレイアウトとすることでフロントにはバッテリーや冷却水、ブレーキフルード、ウォッシャー液のみが残り、スペースが増えたたため、ステアリング機構の配置の自由度が増した。前輪の切れ角は49度で、Aセグメントの平均である30度を上回って小回りが利くようになった。また、ギア比可変ステアリングを採用することで、ステアリングを大きく操作すると前輪がより大きく切れるようにした。これにより、狭い路地での走行や駐車時、Uターンなどでの取り回しが良くなる。
新型トゥインゴの外形寸法は全長3620×全高1545×全幅1650mm。軽自動車の外形寸法の上限と比較して全長は220mm、全幅が170mm大きいが、最小回転半径は軽自動車並みの4.3mだ。先代モデルと全長はほぼ同じだがホイールベースを125mm長くし、居住空間を広げた。また、リアシートと助手席を倒すと、最大2200mmの長尺の荷物も積むことができる。
ボンネットやフェンダーは、歩行者と衝突した際のダメージを軽減するため樹脂製としたが、トランスミッショントンネルやドアビームの強度を高めて衝突安全性を確保した。各部位に超高張力鋼板も採用している。横方向の衝突に備えてBピラーも強度を向上した。
兄弟車フォーフォーとの違い
排気量1.0l(リットル)の自然吸気(NA)エンジンのみの設定となっているフォーフォーと差別化するため、日本市場向けには排気量0.9lのターボエンジン搭載モデルを投入する。このターボエンジンはルーテシアと共通だ。トランスミッションは6速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせる。JC08モード燃費は21.7km/lで、エコカー減税の対象となる。
ターボエンジンのみを導入するのは「フォーフォーはパワー不足だという声を反映した」(ルノー・ジャポン マーケティング部 商品企画グループ チーフプロダクトマネージャーのブレン・フレデリック氏)。排気量0.9lのターボエンジンは最高出力66kW(90ps)/5500rpm、最大トルクが135Nm/2500rpmだ。これに対し、排気量1.0lのNAエンジンは、最高出力が52kW(71ps)/6000rpm、最大トルクは91Nm/2850rpmとなっている。
フォーフォーとトゥインゴの差は「ドイツ車とフランス車の個性の違いとして表れている、と実際に乗った人から聞いている。トゥインゴの方が柔らかくしなやかに感じられるのではないか」(フレデリック氏)。
日本で販売するモデルは現時点では6速DCTのみだが、早ければ2016年末以降にも5速MTのモデルも導入する。
ボディーカラーの設定は6色。水色の「ブルー ドラジェ」は日本で初めて販売する。また、通常グレードに10万円上乗せすれば、電動開閉式のキャンバストップモデルを選択できる。フォーフォーにはキャンバストップはない。
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