自動運転レベル3以上に向けて動き始めた、ADAS技術開発の最新事情:MONOistオートモーティブセミナーレポート(4/5 ページ)
MONOistが2016年6月10日に開催したセミナー「自動運転技術開発の最前線2016〜ADASはどこまで進化するのか〜」で、先進運転支援システム(ADAS)にかかわる各社の取り組みや、自動運転車の実現に向けての課題などが語られた。ここでは、本田技術研究所による基調講演と日立オートモティブシステムズによる特別講演を中心にセミナーの内容をレポートする。
センサー制御やV2Xをワンチップで実現する
NXPセミコンダクターズのCar Infotainment and Driver Assistance SeniorでVice Presidentを務めるTorsten Lehmann氏は、同社がADASや自動運転車向けに開発しているミリ波レーダーと、車載機器統合制御ユニット「NXP BlueBox」を紹介した。
同社のミリ波レーダーは既に世界中におよそ500万ユニット出荷されており、自動運転車を開発するGoogleも採用する企業のうちの1つだという。また、NXP BlueBoxは世界トップ5の自動車メーカーのうち4社が検証用に導入した実績もあると話す。
自動運転レベルが高まるにつれ、車両周辺の近距離から長距離をくまなくセンシングする必要が出てくるため、車載されるセンサー類の数も増えていく。例えば自動化レベルが1〜2の自動運転であれば5個以下のセンサーでカバーできるが、レベル4になると20個以上のセンサーが必要になるとされている。
同社のミリ波レーダーや、車両のアクチュエータ類も含めた統合制御に用いるNXP BlueBoxを導入することで、このように増え続けるセンサーのコントロールや管理に最小限の機器構成で対応できるとしている。同氏はミリ波レーダーやシステムの提供を通じ、「メーカーによる自動運転の開発をますます加速させたい」と語った。
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