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5Gからドライバー育成まで、ソフトバンクが自動運転でやろうとしていること自動運転技術 SBドライブ インタビュー(2/3 ページ)

「なぜソフトバンクがクルマ?」という社内の疑問の声に対し「自動運転にビジネスチャンスがある」と声を大にして説得したのは、30歳の中堅社員だった。「自動車メーカーやサプライヤとは競合しないが、ソフトバンクグループができることは多い」と語るSBドライブ 社長の佐治友基氏らに話を聞いた。

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ドライバー育成もソフトバンクグループで

 携帯電話で実績のある通信技術をクルマで応用するのはもちろんのこと、自動運転車向けのドライバー育成までグループ内で対応していく。

 「V2Xに必要な5Gや、正しい情報を安全にアップデートするためのセキュリティ技術はソフトバンクと子会社のソフトバンクテクノロジーが提供できる。5Gは低遅延/大容量/複数のクルマの同時接続に役立つ。セキュリティは、スマートフォンで実績のある技術を自動車にも応用していく。実際にクルマをハッキングした事例を日本自動車工業会に紹介したこともある」(佐治氏)

 「ヤフーの強みは乗り換え案内や地図情報だ。どこかに移動する人は行き方や行き先についてスマートフォンで調べるので、誰がどこに行こうとしているかはスマートフォンが知っているといえる」(宮田氏)。

 例えば、自動運転タクシーを配車する時に、ヤフーでレストランを調べ、予約した人が、食事を終えるタイミングを見計らうということが実現できるという。バスやタクシーに乗っている人の属性を推定し、広告を効率よく配信したり、移動しようとしている経路を付近の集客に活用して、寄り道を促進したりするようなサービスも考えられるとしている。

 物流支援を手掛けるSBフレームワークスは、商用車の自動運転に対応可能なドライバーの育成を担当する。「物流事業者は自動運転に関心を寄せており、トラックの隊列走行のような関連の深い技術も開発されている。しかし、自動運転をどのようにビジネスに導入すべきか、隊列走行の先頭車両に乗るドライバーはどんなスキルを持つべきか、悩みは多い。代わりにSBフレームワークスがモデルケースとなる自動運転車のドライバーを育て、事例として提案していく」(佐治氏)。

自治体と相次ぎ提携、いつからどこで自動運転車を走らせる?

 自動運転バスの取り組みが先行して具体的に動き始めている。SBドライブは2016年4月に福岡県北九州市と、同年5月には鳥取県八頭町と相次いで提携を結んだ。自動運転によって公共交通の収益改善や、廃線で交通手段がなくなった地域の移動手段として貢献することが目標だ。

 「地域に貢献するということは、活性化や集客につなげ、地域の企業とのシナジーを出さなきゃいけない。地域のバス、タクシー、商業などと議論を進めていくためにも地域に密着して取り組んでいく」(佐治氏)。

 2016年内にもこれらの自治体で自動運転車が走るというわけではない。走行実験を始めるのは2017年以降を予定している。まずは「どこで走らせると人が乗ってくれるか、どこが自動運転車を走らせやすいかを調査する。空気を載せて走っても仕方がない。病院と住宅街を結ぶルートなど、より多くの人が乗るようなルート設計が必要。住民のニーズや既存の交通網がカバーできていないところを補完していく」(同氏)。

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