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自動運転中のドライバーが手動運転に復帰できるか見分けるには?自動運転技術(1/2 ページ)

自動運転車のステアリングを開発する上で、ドライバーが手を添えたことを検知するセンサーが重要になりそうだ。自動運転車では、自動運転システムからドライバーに運転を切り替える場面が発生する。このとき、安全に余裕を持って運転をバトンタッチする必要があるからだ。

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 自動運転車のステアリングは、ドライバーが手を添えたことを検知するセンサーが重要になりそうだ。自動運転車は交通環境などにより自動運転システムからドライバーに運転を切り替える場面が発生するため、安全に余裕を持って運転をバトンタッチする必要がある。ドライバーがステアリングを握っているかどうかを基準にして、運転に戻る体勢が整っているか、運転をドライバーにバトンタッチしてよいか判断する自動運転システムが登場するかもしれない。

レベル3以降の自動運転で必ず起きること

 米国運輸省の国家道路交通安全局(NHTSA)が定義した自動運転システムの自動化レベルのうち、車両の操作と周辺監視の主体をシステムが担うレベル3〜4の自動運転では、緊急時などシステムの要請に応じてドライバーが運転する必要がある。

レベル0 運転支援なし(どのような運転操作の場面でもドライバーに対して運転支援を行うシステムを搭載していない)
操作の主体=人間
監視の主体=人間
レベル1 1種類の運転操作を支援するシステム(横滑り防止装置、自動ブレーキなど)を搭載
操作の主体=人間とシステム
監視の主体は人間
レベル2 2種類以上の運転操作を支援する高度なシステム(車線維持=ステアリング操作とオートクルーズコントロール=加減速を1つのシステムで同時実現)を搭載
操作の主体=システム
監視の主体=人間
レベル3 条件付き自動運転システム(駐車場内や高速道路内など限定された交通条件で可能な自動運転)
操作と監視の主体=システム
緊急時などはシステムの要請に応じてドライバーが運転する
レベル4 完全自動運転システム(乗員が行き先を決めるだけで、運転操作を全く行う必要のない自動運転)
操作と監視の主体=システム
ドライバーがシステムの要請に応じられない場合はシステムが対処する
表 米国運輸省の国家道路交通安全局(NHTSA)が定義した自動運転システムの自動化レベル

 レベル4の自動運転では、ドライバーが運転できないとシステムが判断した場合、路肩に停車するなど自動運転で対処することになる。また、ドライバーが運転を楽しむことも重視した自動運転車の場合、緊急時以外にもシステムからドライバーへ運転を切り替える場面が増えると考えられる。

 こうした場合に重要になるのは、確実にシステムからドライバーへ運転をバトンタッチすることだ。ドライバーが自動運転中の居眠りやセカンドタスク、体調不良などで運転に復帰できないにも関わらず手動運転に切り替えてしまうと、重大な事故につながりかねない。

 ドライバーが運転できる体勢で、運転する意思があるのか、システムが判断する必要がある。

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