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カシオから2.5Dプリンタ、紙の表面に微妙な凹凸を再現:DMS2016
カシオ計算機は、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」において、独自の印刷技術によって紙の表面に微妙な凹凸を再現できる「2.5Dプリントテクノロジー」を披露した。
カシオ計算機は、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」(2016年6月22〜24日、東京ビッグサイト)において、独自の印刷技術によって紙の表面に微妙な凹凸を再現できる「2.5Dプリントテクノロジー」を披露した。当面の用途は、視覚障害者向けの教材制作などが想定されているが「まだ用途探索の段階で発売時期は未定」(同社)だという。
2.5Dプリントテクノロジーは、紙の表面に凹凸を付けてカラー印刷することによって、独特の触感を表現できる印刷物を作成することができる技術だ。専用紙に塗布した熱膨張性マイクロカプセルを近赤外線で加熱により発泡させることで、紙表面に凸部を形成することができる。これによって、印刷物の表面からモノが浮き上がっているような触感を得られる。技術開発は、製紙メーカー、塗料メーカーと共同で行った。
紙表面の凸部の盛り上がり量は、凸部の裏側に印刷したグレースケール画像の濃淡によって制御する。グレースケール画像の黒色が濃い部分は近赤外線を吸収しやすいので、温度が上がってマイクロカプセルがより大きく発泡する。1枚の印刷にかかる時間は3〜5分。そのほとんどは加熱時間である。
「2.5Dプリントテクノロジー」による印刷の表面(左)と裏側(右)。表面は一般的なカラープリントだが、裏側に熱膨張性マイクロカプセルを発泡させるためのグレースケール画像が印刷されている(クリックで拡大)
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