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データセンターのイーサネット、パイプが太ければ十分か?SYSTEM DESIGN JOURNAL(2/4 ページ)

身近な存在であるイーサネットですが、データセンターでのイーサネットはその厳しい環境下で常に変化し続けることを求められています。単純に“パイプを太くする”ことでは生き延びることは難しいでしょう。

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 問題の解決を探るためには、10Gbps(もしくはそれ以上)イーサネットインタフェースの内部を確認する必要があります。ブロックごとに見ていきましょう(図 2)。


図 2. 10Gbpsイーサネットインタフェースのバックエンドには、ごくわずかなファンクションブロックしかありません

 アプリケーションからのメッセージが、イーサネットのデータ長に対応したデータブロックに分割するポイントから始めることにしましょう。

 分割されたデータブロックは、宛先アドレスと恐らくは何らかの制御情報とともに、メディアアクセスコントローラー(MAC)と呼ばれる、イーサネットインタフェースの機能に渡されます。

 この転送は、TCP/IP(Transmission Control Protocol and Internet Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)によって、メッセージがそれぞれ固有の要件に合わせて形成された後、さらにPTP(Precision Time Protocol:時刻同期用プロトコル)のような機能がそれぞれ固有の特殊なメッセージを作成します。MACはデータブロックを受け取り、移動させるだけです。

 具体的に言えばMACの仕事は、各ブロックに同期信号を付加すること、イーサネット内の他のどこかにある別のMACアドレスを含むヘッダを追加すること、そしてTypeコードに組み込むことです。さらに、MACはCRC(Cyclic Redundancy Check)コードを計算して付加します。これは送信方向についての説明ですので、当然、受信側では逆の説明になります。

 これはごく単純な話に聞こえますが、それも速度についての考察を始めるまでのことです。

 速度が問題でない場合、MAC機能は全てソフトウェアで実装可能ですが、10Gbpsでは約100ミリ秒ごとに短いパケットが着信する可能性があります。このレートで処理できればよいのですが、さもなければバッファが必要になり、そのために追加のレイテンシや消費電力が発生します。

 レーンあたり25Gbpsまたは50Gbpsでは、比例して時間が短くなります。さらに高速なイーサネットリンク、例えば100ギガビットイーサネット(GbE)ならば10本の10Gbpsレーンというように、複数レーンとして実装されます。そのため、MACに対する負荷は上昇し続けます。

 セキュリティの一側面により、MACレイヤーはさらに複雑化します。MACsecはプリアンブルを含めてパケット全体(フレーム)を暗号化する規格で、データセンターのように、中間者攻撃が大きな脅威となる状況において特に役立ちます。このアルゴリズムは、多数の乗算および探索操作が必要であり、計算を極めて多用するため、ハードウェアアクセラレーションが欠かせず、それはレイテンシの追加につながります。

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