クラウドCAEで静解析してみよう:3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(50)(2/5 ページ)
今回は、クラウドベースの3D CAD「Fusion 360」を使って静解析してみました。記事執筆に使っているノートPCでも動かせます。
ジオメトリの用意については……
Fusion 360で計算をする際に必要なのは、まずは解析するべきジオメトリ(3Dモデル)です。ここについては、既にFusion 360でモデリングをしている人にとっては、たやすい話だと思うので、今回は割愛します。
そういうわけで、形状ができたら計算をしてみます。最初に取り上げる例は、あっという間に作れる、単なる真っすぐな角棒です。
でも、あえてこれを取り上げたのには、ちゃんと意図があります。
Fusion 360が対応する解析
さて解析をするには、メニューの「シミュレーション」をクリックします。
シミュレーションをクリックすると、解析用のメニューに変わります。
基本的には、CADから起動するCAEソフトでよくあるように、メニューに表示されている順番に必要なものを定義していけば、解析できます。
ちなみに、解析をするために必要な最小限の情報は、「材料物性」「拘束条件」「荷重条件」、それに解析をするための「メッシュ」ですね。一般的な構造解析では、必要な材料物性は、ヤング率やポワソン比といった、剛性マトリクスを作るために必要な情報になります。
それでは、解析の準備を進めてみましょう。
さて、最初に決めるべきは、どんな計算をするのか、ということですね。メニューを開いてみると、4つの種類の計算ができるようです。
1つ目は「静解析」です。かつて、よく「設計者CAE」と呼ばれたのは、このタイプですね。実際、設計者自身が扱う一般的な計算はこのタイプのものが多いと思います。次に、いわゆる固有値解析「モード周波数」と、「熱伝導解析」。さらに、熱伝導解析と静解析を連成させた「応力解析」です。
今回やるのは、静解析です。
なお、静解析はいわゆる「線形静解析」、そして熱伝導解析は「定常の熱伝導解析」であり、大変形(形状非線形)や材料非線形、非定常の熱伝導解析は、残念ながらFusion 360では対応していないようです。そのレベルとなると非線形解析ができるソフトを使う必要があります。
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