スズキのフルハイブリッド、燃費はガソリン車比で30%向上:人とくるまのテクノロジー展2016
スズキは、「人とくるまのテクノロジー展2016」において、開発中のフルハイブリッドシステムのプラットフォームを展示した。燃費は、同じ車種のガソリンエンジンモデルと比べて30%向上するのが目標だ。ハイブリッドシステムは小型の基幹部品で構成し、搭載性を高める。軽自動車を除いた車種での採用を予定している。
スズキは、「人とくるまのテクノロジー展2016」(2016年5月25〜27日、パシフィコ横浜)において、開発中のフルハイブリッドシステムのプラットフォームを展示した。燃費は、同じ車種のガソリンエンジンモデルと比較して30%向上するのが目標だ。ハイブリッドシステムは小型の基幹部品で構成し、搭載性を高める。軽自動車を除いた車種での採用を予定している。
フルハイブリッドシステムの初搭載は「ソリオ」とみられるが、マイルドハイブリッドでないソリオのJC08モード燃費は前輪駆動モデルで24.8km/lだ。ここから燃費を30%改善すると32.2km/lとなり、ソリオのマイルドハイブリッドモデルの27.8km/lを上回ることができるといえそうだ。
量産中の部品を活用
開発中のフルハイブリッドシステムは、クラッチとシフトチェンジを自動で行うMTベースのトランスミッション「オートギヤシフト」や、マイルドハイブリッドシステム「S-エネチャージ」で使用するISG(モーター機能付き発電機)を搭載する。オートギアシフトは「アルト」や「ラパン」などの軽自動車で、S-エネチャージは「ワゴンR」や「スペーシア」、「ハスラー」で搭載しているものだ。
モータージェネレーターユニットやリチウムイオン電池パックはフルハイブリッド専用のものを開発しているという。エンジンは排気量1.2l(リットル)の「デュアルジェットエンジン」を組み合わせる。
オートギヤシフトをフルハイブリッドシステムに使用するのは「クラッチでエンジンを切り離せるので、エネルギーの回生やモーターだけでの走行が効率よく行える。CVTより効率も高い」(スズキの説明員)という理由のためだ。モータージェネレーターユニットのアシストによって、変速を滑らかに行う。
フルハイブリッドなしで燃費を改善してきたのがハードルに
フルハイブリッドシステムを投入するのは、ハイブリッド車に乗りたいという国内のスズキユーザーの要望に応えるためだ。
軽自動車はS-エネチャージや車体の軽量化など燃費改善技術を投入しているため、フルハイブリッド化しても燃費向上の伸びしろが少ないという。フルハイブリッドシステムは登録車に向けて開発を進めている。しかし、登録車もマイルドハイブリッドシステムで燃費改善を図っている。
「フルハイブリッドの価格増加分に見合う燃費を達成できなければ選んでもらえない。かといって単純に大きくバッテリーとモーターを積むと車両が重くなってしまうので、小型の部品で構成することを考えている」(同社の説明員)という。
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