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いまさら聞けない「ECHONET Lite」とその認証プロセス:「ECHONET Lite」の基礎技術と認証プロセス(3/4 ページ)
HEMSコントローラーとスマート電力量メーター、家電機器間の通信として採用が進んでいる、最近話題のスマートハウス用通信プロトコル「ECHONET Lite」をどれだけご存じだろうか。ECHONET Liteの基礎技術と認証プロセスについて解説する。
ECHONET Liteの認証構成
ECHONET Lite認証、AIF認証の認証構成を以下に示す。
上図において、1つの四角が1つの認証に相当する。機器の種類、AIF仕様の有無により認証構成が異なり、やや複雑な構成となっている。概要は以下となる。
- AIF認証はECHONET Lite認証の上段となる認証であり、AIF認証取得のためにはECHONET Lite認証の取得が必須である
- 同一のECHONET Liteミドルウェアが複数のAIF仕様に対応する場合は、1つのECHONET Lite認証で複数のAIF仕様に対応することが可能である(同一のHEMSコントローラーがエアコン、照明、電気温水器に対応する場合など)
- SMA(低圧・高圧スマートメーター、及び対向HEMSコントローラー)機器は例外で、1つのECHONET Lite認証で複数のAIF仕様に対応することは不可である(同一のECHONET Lite認証で、SMAと他のAIFに同時に対応することは出来ない)
- AIF仕様が存在しない機器クラスは、ECHONET Lite認証のみを実施する
また、全てのAIF認証と一部分のECHONET Lite認証ではエコーネットコンソーシアムが認定した試験機関での第三者試験の実施が義務付けられている。それ以外のECHONET Lite認証では、申請者自らがテスト仕様書(会員限定公開資料)をコンソーシアムのWebサイトよりダウンロードして試験を実施する「自己試験による認証」となっている。ECHONET Lite認証、AIF認証の第三者試験の有無を以下に示す。
SMA(低圧・高圧スマートメーター、および対向HEMSコントローラー)機器のAIF認証を取得する場合はECHONET Lite認証でも第三者試験が要求される。
認証・試験機関のリストはエコーネットコンソーシアムのWebサイトに掲載されている。エコーネットコンソーシアムより認定を受けているテュフ ラインランド ジャパンなどの認証・試験機関に相談してみることをお勧めする。
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