IoTはもうかるサービスを作り出せるか、離島で電動バイクレンタルがスタート:電気自動車(2/3 ページ)
ソフトバンクグループのPSソリューションズが運営する電動バイクのレンタルサービス「瀬戸内カレン」が香川県小豆郡の豊島(てしま)でスタートした。観光客を対象にホンダの電動バイク「EV-neo」を貸し出す。充電を再生エネルギー由来の電力で賄うとともに、バッテリーの残量や各車両の現在地、帰りの船に間に合うかどうかなどを「IoTで緩く見守る」(ソフトバンクの山口典男氏)のが特徴のサービスだ。
IoTだからできること
瀬戸内カレンはソフトバンクのモビリティ向けIoT「Internet of Moving Things」事業の第1弾となる。EV-neoにはLTE通信が可能な車載器を搭載、現在地や走行距離など各車両の情報を5秒間隔で送信する。データは日本オラクルのIoTサービス基盤を通じてPSソリューションズが収集。車両の現在地や、走行距離を基に算出した電池残量をWebブラウザ上から把握できるようにする。日本オラクルがモビリティ向けにIoTサービス基盤を提供するのは初めて。
さらに今後は利用者向けのサービスを充実させていく。具体的には、急ブレーキや急発進、走行が危険な区域への立ち入りなどを検知して利用者に注意を促したり、位置情報と船の出航時刻を組み合わせて行程を切り上げるよう勧めたりする。豊島の島内には常勤の医師がいないため、けがや事故への対応を迅速に行う上で安全面のサービスの重要度は高い。
利用者への通知の形態は、専用のアプリやメールなどを検討している。将来的には、蓄積した走行履歴を観光ルートの提案などにも活用する。
ソフトバンクは、充電インフラとして充電認証システム「ユビ電」を提供する。プラグのケーブルに、微小な電力で識別番号を送信する小型の装置を取り付け、充電コネクターを接続したのが瀬戸内カレンのEV-neoであることを識別してから通電する。ユビ電は車両側の充電コネクタを改造せずに導入可能な点を特徴とする。
ユビ電によって「誰が、何に、いつ、どこでどれだけ充電したかを把握できるようにする」(山口氏)ことで、電力の使用量を管理する。瀬戸内カレンで使用する電力は、NPO法人太陽光発電所ネットワークが発行する「グリーン電力証書」を購入して調達する。電力は従来通り電力会社から供給されるが、グリーン電力証書の購入代金が再生エネルギーを使用する発電事業者に支払われるため、間接的に再生エネルギー由来の電力を使用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.