高い処置性能と挿入性を備えたダブルバルーン内視鏡を発売:医療機器ニュース
富士フイルムは、ショートタイプのダブルバルーン内視鏡「EI-580BT」を発表した。スコープ先端は小回りが利き、弾発性の高い新素材の採用で挿入・追従しやすいため、患者の苦痛を低減し、挿入が難しい症例において検査効率の向上に貢献する。
富士フイルムは2016年3月7日、高い処置性能と挿入性を備えたショートタイプのダブルバルーン内視鏡「EI-580BT」を発表した。
EI-580BTは、処置具を挿入する鉗子口径を従来機の2.8mmから3.2mmに拡大。これにより、使用可能な処置具の選択肢が広がり、処置具の出し入れや操作が容易となった。血液や便などを吸引する性能は、従来機と比較して約3.6倍に向上した。また、従来機同等の外径を維持したことで、従来機と同タイプのオーバチューブが使用できる。
スコープ先端は、小回りが利いて旋廻性能が高く、病変部の観察や処置具を出す際にスコープ先端を目的部位に向けやすいため検査時間の短縮が可能。患者の身体的苦痛を低減する細さ・柔軟性と、操作者の微妙な力加減が先端に伝わる硬さを兼備している。
スコープ先端部の軟性部は、腸管壁のカーブに沿ってスムーズに曲がり、カーブ通過後は直線に戻りやすくする「カーブトラッキング技術」を採用。高い弾発性を持つ新素材を採用した高追従挿入部となっており、術後再建腸管などスコープの挿入が難しい症例において、患者の身体的苦痛を低減し検査効率が向上するという。
また、新たに設計された先端部・コネクタ部により、観察性能とユーザビリティの双方が向上している。高い解像度と色再現性を備えた画像センサー「スーパーCCDハニカム」と新設計レンズを搭載。さらに、送気・吸引用のチューブを接続するバルーン送気口を、操作部から離れたLGコネクタ部(内視鏡の光源装置との接続部)に配置したことで、医師はチューブに邪魔されることなく内視鏡を操作できる。
同内視鏡は、富士フイルムメディカルを通じて発売する。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連記事
- 若手エンジニアたった1人のメーカー経営(前編)
若手でマルチなエンジニアが、たった1人きりでデザイン家電開発に取り組み、世界的デザイン賞も受賞。今回はその開発の軌跡を紹介する。 - 東芝やキヤノンが優位、微細加工技術の「ナノインプリント」
数十nm単位の微細加工に適した技術「ナノインプリント」。ある種の印刷技術を使って樹脂表面などに微細なパターンを転写する米国の大学発の先進技術だ。同技術の特許出願状況を調査したパテント・リザルトによれば、強い特許を持つ上位5社の中に、日本企業として東芝、キヤノン、富士フイルムが入った。 - 機械の健康診断「非破壊検査」の世界
今回は「非破壊評価総合展2009」の展示内容を紹介。日本非破壊検査協会のキャラクター「ノンディ」や古い検査装置も登場する - 実用化はどこまで? プリンテッド・エレクトロニクス業界の開発競争を読む
印刷技術を応用した回路・センサー・素子製造の技術はどこまで進展しているか? 各国がしのぎを削る開発競争を見る。 - 2012年に最も引用された特許は「有機EL」、どの企業の?
知財戦略の基礎は、自社の知財の把握と競合の知財のリサーチにある。パテント・リザルトは、2012年に最も引用された特許トップ100を集計、そのうち10位までを公開した。上位にはディスプレイ関係の特許が並んでいる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.