東芝に残った医療機器のゆくえ
2016年3月17日、東芝からキヤノンに、東芝メディカルシステムズが譲渡されるという正式発表がありました。直前に、キヤノンと並んで買収の有力候補とされていた富士フイルムからの質問状が飛び出すなど、すったもんだはありましたが、今後東芝メディカルシステムズはキヤノンの中で再度成長を目指すことになります(関連記事:東芝メディカルの売却益5900億円、“第三者”を介して東芝が年度内計上へ)。
さて東芝の医療機器事業をほぼ全て手掛けていた東芝メディカルシステムズを売却したことにより、東芝から医療機器は全てなくなってしまうのでしょうか。
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東芝とキヤノンは、東芝からキヤノンに東芝メディカルシステムズの株式を譲渡するための契約書を締結したと発表した。譲渡金額は約6655億円。東芝は、東芝メディカルシステムズの株式売却を、MSホールディングという“独立した第三者”を介することで、2015年度内に約5900億円の売却益を見込んでいる。 - 東芝がヘルスケア社を廃止へ、リストバンド型センサーは売却も
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