連載
稼ぐ個別改善、守る自主保全活動:いまさら聞けないTPM(3)(2/3 ページ)
本連載「いまさら聞けないTPM」では、TPM(Total Productive Maintenance)とは何か、そして実際に成果を得るためにどういうことに取り組めばいいかという点を解説する。第3回となる今回は「TPMの8つの活動(8本柱)」のうち個別改善と自主保全活動の概要について紹介する。
自主保全
自主保全活動は、製造のオペレーターが設備やプロセスに強くなり、現場を自主管理できるようにすることが狙いになります。設備や仕事に強いオペレーターとは、単なる機械の操作に終わることなく、清掃・給油・点検などの日常保全ができるようにならなければなりません。自動化・ロボット化が進めば進むほど、その必要性は大きくなるのです。オペレーターには次の4つの能力と行動力が要求されます。
- 設備の不具合を発見できる力(異常発見できる能力)
- 異常に対し正しい処理が迅速にとれること(処理および修理できる能力)
- 正常と異常の判定基準をしっかり決められること(条件を設定できる能力)
- 条件管理のルールをきっちり守れること(維持できる能力)
これらのことから、さらに具体的には次のような力を、オペレーターの一人一人が身に付けなければなりません。
- 設備の改造などの大きな改造でなく簡単な改善ができる力を持っている
- 設備の構造機能を理解し、異常の原因系を発見できる力を持っている
- 設備と品質の関係を理解し、品質異常の予知と原因系の発見ができる力を持っている
これらの条件を満たした人こそが“不良が出そうだ”、“故障しそうだ”という原因系の異常を発見でき、それらを未然に防ぎうる処置のとれる、真に設備に強いオペレーターであるといえます。これらの能力を養うために、7つの手順を踏んで現場力の向上を図ることになります。各ステップはトップ診断により活動レベルの確認や指導を行う。さらに現場だけでは困難なところは他部門の支援を併用しながら進めていくことが重要です。
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