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77GHz帯SiGeミリ波レーダーに第3の選択肢、STマイクロが参入車載半導体

STマイクロエレクトロニクスは、長距離検知に対応する77GHz帯の車載ミリ波レーダー用トランシーバICのサンプル出荷を始めた。SiGe(シリコンゲルマニウム)ベースの製品であり、インフィニオン、NXP(旧フリースケール)に次ぐ3社目のベンダーとなる。

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 STマイクロエレクトロニクス(STマイクロ)は2016年2月23日(欧州時間)、長距離検知に対応する77GHz帯の車載ミリ波レーダー用トランシーバICのサンプル出荷を始めたと発表した。2017年3月に量産を始める計画である。

 現在、自動車の運転支援システムに利用されているミリ波レーダーは大まかに分けて2種類ある。自動ブレーキや追従走行のために100m以上の長距離を検知するのに用いられている77GHz帯と、ドライバーの死角となる領域を含めて車両の周囲数十mを検知する24GHz帯だ。

 STマイクロは、24GHz帯に対応する車載ミリ波レーダー用トランシーバICを累計3500万個出荷する一方で、これまで77GHz帯の車載ミリ波レーダー用トランシーバICは手掛けていなかった。

 今回、STマイクロが77GHz車載ミリ波レーダー用トランシーバICする上で、これまでの24GHz帯向け製品の実績に基づき、77GHz帯に対応するトランスミッタ3個とレシーバ4個を1チップに集積した。また「競合製品を使用した場合よりも、シンプルかつ小型のシステムを低コストで設計できる。物体認識機能と解像度を向上させるマルチチャネルアーキテクチャも採用しているので、走行中の高い性能と信頼性も実現可能だ」(同社)という。

インフィニオン、NXPに次いで3社目のベンダーに

 現在、77GHz車載ミリ波レーダーには、SiGe(シリコンゲルマニウム)ベースのトランシーバICが採用されるようになっている。かつては価格が数十万円だったミリ波レーダーを使う運転支援システムが、今や10万円以下になっているのはSiGeベースのトランシーバICによる機能集積の効果が大きい。

 これまで、77GHz車載ミリ波レーダーに対応するSiGeベースのトランシーバICは、Infineon Technologies(インフィニオン)とFreescale Semiconductor(NXP Semiconducotorが2015年12月に買収)だけが供給していた。

 今回STマイクロが発表したトランシーバICもSiGeベースだ。これで3社目のベンダーが登場したことになる。

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