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今の生産性で戦えるか、再確認したい現場改善の“視点と考え方”実践! IE;磐石モノづくりの革新的原価低減手法(10)(4/7 ページ)

革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について解説する「磐石モノづくりの革新的原価低減手法」ですが、今回は「強い現場体質づくり」に向けた考え方、目の付け所について解説していきます。

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最少動作をどう考えればよいか

 作業を効率良く完了させるには、最少の動作で作業方法を組み立てていかなければなりません。主な方法としては、最少身体部位で作業を完了させる方法と、最少動作域で作業を完了させる方法の2つがあります。

 これらの方法は、動作のムダを排除するとともに、ムリのない作業へとつながっていきます。こうした方法は単なる作業時間短縮の効果のみならず、作業にリズム感が生まれ、作業時間のバラツキを抑えることにもつながります。曲がりくねった道では自動車はスピードをだすことができませんが、真っすぐな道では速く走ることができるのと同様の理屈です。結果として、動作のムダ排除が可能となります。

 動作のムダ排除は、「動作経済の原則」にのっとって、ムダな動作を見つけながら排除していくよりも、ムダのない動作のみで作業設計をしていく方が素早く改善することができます。

2.1 最少身体部位での作業設計

 作業は、身体部位の動作を使用して成し遂げられますが、指先から遠ざかった身体部位を使うほど、あるいは指先と他の身体部位の複数を使用して動作を組み立てるほど作業時間は多くかかります。

 具体的には、「“指”→“手首”→“肘”→“肩”→“腰”→“足”」の順に、運動範囲が広がって行くにつれて、次第に動作時間が増していきます。作業設計を行う際には、できるだけ最低次の身体部位を使用した作業方法へと変更していかなければなりません。モノが低い位置に置いてあれば、腰を曲げなければそれを取ることはできません。後ろや横にモノが置いてあれば、足を踏み出さなければ取れません。作業は、できるだけ、“指・手首・肘”までの身体部位の動作によって完了させるようにすることが大切です。

 最少の身体部位で作業を完了させることは、動作距離を最小にする改善へとつながっていきます。また、身体のどの部位が動作する場合でも、必ず“元の姿勢に戻す”動作が発生しますので、動作時間も距離も2倍になってしまいます。各身体部位別の動作所要時間のおおむねの比率は、表1を参考にしてください。


表1 身体部位別の動作時間比

 現状の作業方法を見直して再設計する場合は、身体部位毎の動作時間をストップウオッチで測定して動作時間を短縮していく方法もありますが、測定誤差も大きく測定時間そのものの持つ意味も余りありませんので、作業開始から作業終了までの1サイクル内、あるいは1時間当たりの動いた身体部位ごとの動作回数を数えて現状把握や改善効果として管理していく方が実際的です。

 本項の関連として、連載「実践! IE:方法改善の技術」第6回第7回も併せてご一読ください。

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