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複雑すぎる原価管理、IoTでどうカイゼンするかトヨタ生産方式で考えるIoT活用(4)(3/5 ページ)

日本型モノづくりの象徴ともいうべき「トヨタ生産方式」。本連載では多くの製造業が取り入れるトヨタ生産方式の利点を生かしつつ、IoTを活用してモノづくりを強化するポイントについて解説していきます。第4回となる今回は、原価管理におけるIoTの活用ポイントについて紹介します。

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2.本当の利益管理に必要な計算式が不明確

 さきほども説明しましたが、本来モノを1つの生産設備で生産した際には、今日作ろうと明日作ろうと、稼働時間が同じであれば同じ加工費になるはずです。しかしながら、財務諸表上では、直近は高く、時間がたつと安くなる計算になります。販売単価は当然一律設定していますので、正しい利益管理を行うのであれば別の計算方法で算出する必要があります。

 他にも労務費(人が生産に従事した費用)については車種ごとに決めたラインで組立する人の費用は車種ごとに算出しやすいですが、部品供給や出荷、運搬作業などの間接作業に関わる費用を車種ごとに算出する方法については、独自に決める必要があります。

 つまり現在の利益を正確に把握するためには、製造業ごとに自社の生産特性に合わせ、利益管理に最適な原価計算の計算式を考えていくことが必要となります。そのためには財務管理上の知識を有した人と、モノづくりを理解した人の知恵を結集させた仕組みを作り上げていく必要があり、その体制作りがネックとなります。

 また本当の利益管理に必要な会計を一般的に管理会計と呼んでおりますが、財務会計と管理会計の数字が異なる傾向にあるため、これを合わせるまたは算出根拠を明確にすることも実際の管理上では難しいポイントになります。

3.アウトプットが現場に理解できない。

 こうしたプロセスを経て原価を算出した後、その内容を提示して現場に原価低減を促すのですが、現場は原価だけを提示されても具体的に何に取り組めばよいのか分からないというのが現状です。


原価管理の具体的な課題(クリックで拡大)出典:アムイ

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