座るだけで心拍情報を測定するオフィスチェア型センサー:医療機器ニュース
ダイキン工業は、座っているだけで心拍情報を測定できるオフィスチェア型センサーを開発した。これを用いて、室内環境の変化とオフィスで働く人の心拍変動の相関を分析する調査を、三菱地所と共同で開始する。
ダイキン工業は2016年2月16日、座っているだけで心拍情報を測定できるオフィスチェア型センサーを発表した。人に負担をかけずに生体情報を測定する、同社独自のセンシング技術「Airitmo(エアリトモ)」を応用したものだ。
近年、ウェアラブル端末を使って測定した生体情報が健康増進や快適性の向上に活用されるなど、センシング技術に対するニーズが高まっている。しかし、生体情報センサーの多くは、体に器具を装着して測定する必要があるため、使用シーンや使用者によっては体に負担が掛かり、またその負担がストレスとなって本来の生体情報を正確に測定できないという問題があった。
Airitmoは、いすなどに組み込んだチューブ式空気圧センサーによって、心臓の動きに伴う微かな体の振動を検知し、人に負担をかけずに心拍、呼吸、体動の生体情報を測定する独自のセンシング技術だ。また、心拍間隔の「ゆらぎ」を分析することで、心と体の状態を判定することもできる。
このAiritmoを応用して開発されたのが、オフィスチェア型センサーだ。チューブ式空気圧センサーを座面に組み込み、無線モジュール内蔵センサー基板、バッテリーを背面に装着している。これにより、座っているだけで、心拍数の変化を瞬時に測定することができる。測定結果はサーバに蓄積される。1回の充電で1週間連続使用が可能だ。
同社は、三菱地所が東京・大手町にオープンするビジネス交流施設「3×3 Lab Future(サンサンラボフューチャー)」に同センサーを設置し、次世代オフィス環境づくりに向けた調査を三菱地所と共同で開始する。空調や照明などによる室内環境の変化と、オフィスで働く人の心拍変動の相関を分析するという。
調査実施期間は同年2月〜2018年3月の2年間の予定。さらにこの調査結果を、快適性や生産性が向上し、仕事がはかどるようなオフィスの空気環境を可能にする空調制御技術の開発につなげるとしている。
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