ドラレコでフルHD以上の「3M」記録が可能に、衝突警告など運転支援機能も:安全システム(1/2 ページ)
JVCケンウッドは、ドライブレコーダーの新製品「DRV-410/DRV-610」を発表した。同社市販製品の車載カメラとしては初めて画像認識機能を搭載し、前方車両への接近や車線逸脱、発進遅れなどについて警告する運転支援機能を備える。また、フルHDよりも高解像度の録画が可能でナンバープレートを夜間でも鮮明に記録できるようにした。
JVCケンウッドは2016年2月23日、ドライブレコーダーの新製品「DRV-410/DRV-610」を発表した。同社市販製品の車載カメラとしては初めて画像認識機能を搭載し、前方車両への接近や車線逸脱、発進遅れなどについて警告する運転支援機能を備える。また、フルHDよりも高解像度の録画が可能でナンバープレートを夜間でも鮮明に記録できるようにした。事故などに備えて装着するだけでなく、運転中の風景を撮影して楽しむ用途としても提案する。発売は2016年3月上旬。両製品ともオープン価格だが、税抜きの市場想定価格はDRV-410が2万1000円、DRV-610が2万3000円。
フルHDの上を行く画質
ドライブレコーダーは需要が拡大傾向で、高価格帯の売り上げ比率が伸びるという「カーエレクトロニクス製品としては珍しい市場」(JVCケンウッド)である。テレビ番組でドライブレコーダーの映像が取り上げられる場面が増えたことなどをきっかけにドライブレコーダーの認知が進み、2015年から国内出荷台数が大幅に増加した。2016年は年間で1300万台に達する見込みだ。
ドライブレコーダーの価格帯別の構成比をみると、JVCケンウッドの調査では、2015年1月は1万5000円未満が6割を占めていた。しかし、半年後の2015年7月には1万5000円以下の価格帯の比率は23%まで下がり、1万5000〜2万円未満の価格帯が30%から45%に拡大した。2万円以上の製品の構成比率も増加しており、シンプルな機能で低価格の製品の市場は縮小傾向にあるという。
さらにJVCケンウッドは、各社の製品で、フルHDでの撮影や衝撃を検知して録画を開始するための加速度センサー、撮影場所の位置情報が分かるGPSなどの機能が標準となって差別化が難しくなっていくと見込む。同社でも既にこうした機能を搭載した「KNA-DR300/KNA-DR350」を販売しているが、今回はさらに競争力を高めるため、フルHDを上回る高画質や運転支援機能に対応したドライブレコーダーの新製品を開発した。
同社は車載用カメラ市場では後発だが、民生用ビデオカメラで培った映像処理技術を生かして競合と差をつける。
新製品はフルHD(約200万画素、画素数1920×1080)よりも鮮明な「3M」(約300万画素、画素数2304×1296)での撮影を特徴としている。CMOSセンサーは、小型のDRV-410で340万画素、ドライブ中の撮影を楽しむユーザーに向けたDRV-610は400万画素のものを採用した。これにより昼間は5m先、夜間は3m先の車両のナンバープレートの記載をはっきり撮影することが可能になる。
撮影した映像データをH.264方式でエンコードしてから記録する点は同社の既存製品や他社製品と共通だが「カメラに取り込んだ段階で映像の質が良いため、記録映像を確認すると他社のフルHDとは差がつく」(JVCケンウッド オートモーティブ カメラ開発部 部長の前田修一郎氏)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.