IoT実用化に向けた大規模検証環境をNTTコムら11社が運用開始、海外拠点接続も提供
NTTコミュニケーションズがオラクルやシーメンス、IBM、インテル、イノテックらとIoTサービスの信頼性や安全性などを検証する「IoTテストベッド」の運用を開始した。参加企業団体は随時募集する。
NTTコミュニケーションズは2016年2月19日、IoTサービスの信頼性や安全性などの検証環境「グローバルクラウドIoTテストベッド」の運用を開始した。
IoTに関連する関連技術や製品/サービスベンダーなどと連携し、同社クラウド「Enterprise Cloud」とVPN「Arcstar Universal One」を提携企業へ組み合わせて提供することで、技術開発やサービス実装の速度を向上させる。
現在挙げられている検証事項は「プロトルコ変換ゲートウェイを用いたLAN/WAN接続テスト」「多拠点大量データの伝送及びリアルタイム処理性能テスト」「エッジコンピューティング技術の実装テスト」「IoTサービスの開発運用業務効率化に向けた各種APIを活用する開発手法の検証」の4テーマ。
プロトコル変換ゲートウェイテストではたけびし、大量データ伝送テストでは日本オラクルと日本アイ・ビー・エム、エッジコンピューティング技術の実装テストではイノテックやインテル、関東エルエンジニアリング、シーメンス、シスコシステムズ、ネットワンシステムズ、APIを活用する開発手法についてはウフルの各企業が参加する。
本環境への参加企業・団体は随時募集していくとしており、企業のみならず、官学および各種団体とも共同しての実験を推進する。現時点で協力団体としては挙げられているのは経産省/総務省の「IoT推進ラボ/スマートIoT推進フォーラム」やVEC(Virtual Engineering Community)、IVI(Industrial Value Chain Initiative)、重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)、インターネット協会 IoT推進委員会、東京大学生産技術研究所IoT特別研究会、名古屋工業大学など。2016年4月以降にはグローバルVPNによって海外拠点との接続も提供される予定だ。
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