2016年のデトロイトショーを彩った和製スポーツカーの競演とセダンの復権:デトロイトモーターショー2016 レポート(3/6 ページ)
「デトロイトモーターショー2016」では、和製スポーツカーの競演や、ピックアップトラックの各社の新モデル、そしてセダンの復権が垣間見えた。各社のエコカー開発競争や、ディーゼルエンジンの排気ガス不正問題と向き合うVolkswagenグループの姿勢もうかがえた。華やかさを取り戻しつつあるデトロイトモーターショーを振り返る。
原油安を受けてピックアップトラックの新型が続々
ピックアップトラック市場では、フルサイズはFord Motor(フォード)の「F-150」が、ミドルサイズではトヨタ自動車「タコマ」が牙城を築いている。そこに一矢を報いるべく、日産自動車が世に送り出したのが「タイタン・ウォリアー」だ。カスタム風の外観に18インチホイールに大径のオフロードタイヤを履き、存在感は抜群だ。日産自動車は「タイタン」の販売に苦しんでいただけに、若者の目をひきそうなコンセプトモデルで話題を呼ぼうと試みたようだ。
ミドルサイズのピックアップトラックのセグメントはシボレーブランド「コロラド」、トヨタ自動車「タコマ」といった競合がひしめくのだが、ホンダ「リッジライン」もモデルチェンジを受けて切り込んできた。
リッジラインは、実はモノコック構造なのに、あえてフレーム風のラインを入れるなどアメリカの保守層に訴えようという努力の跡が見える。モノコックゆえの空間の余裕を生かすべく、荷台に音響システムを搭載するなど、独自の路線を狙う点にも着目したい。
フルサイズのピックアップトラックも堅調だ。フォードは1976年から全米売り上げナンバーワンを誇るF-150をベースに、フォード・パフォーマンス・ヴィークルズの手でチューニングを施したスポーティ仕様「ラプター」を発表した。排気量3.5lのV型6気筒エコブーストと10速ATの組み合わせをチューニングし、V型8気筒エンジンを積んだ先代モデルの出力を上回る性能を引き出す。
フォードのプレスカンファレンスでは、CEOのマーク・フィールズ氏と会長のビル・フォード氏がそろって「フォード・パス」という総合サービスを発表した。フォードの顧客として登録しておけば、駐車代の支払いがスマートフォンでできたり、24時間年中無休でガイドが対応したりするサービスを受けられる。また、「エクスペリエンス・センター」はニューヨーク市を皮切りに世界に展開する予定だ。
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