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ソニーのデバイス部門が赤字転落、大黒柱のイメージセンサー変調で増産見直しへ製造マネジメントニュース(1/3 ページ)

ソニーは2016年3月期(2015年度)第3四半期の決算を発表。従来、課題事業としていたゲーム事業や家電事業、デジカメ事業などが堅調を示した一方で「成長けん引領域」と定めてきたデバイス事業が変調しマイナス要因となる“裏腹”な業績となった。

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 ソニーは2016年1月29日、2016年3月期(2015年度)第3四半期の決算を発表した。第3四半期単体の業績では、売上高は前年同期比0.5%増の2兆5808億円、営業利益は同11.0%増の2021億円、税引き前利益は同15.2%増の1933億円、四半期純利益は同33.5%増の1201億円と順調な回復傾向を示した。第3四半期単体の営業利益で2000億円を超えたのは2007年度以来の8年ぶりのことだという。

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ソニーの2015年度第3四半期連結業績(クリックで拡大)出典:ソニー

 2015年度第1〜第3四半期累計の業績についても、売上高は前年同期比0.1%増の6兆2816億円、営業利益は同132.7%増の3871億円、税引き前利益は同176.4%増の4042億円となり、純利益については同2553億円改善し2361億円となった。

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ソニーの2015年度第1〜第3四半期累計の連結業績(クリックで拡大)出典:ソニー

課題事業の収益力は確実に改善

 ソニーでは、2015年〜2017年度にかけて、平井一夫氏が社長兼CEOに就任してから第2期の中期計画を進行中だ。第1期3カ年計画では「構造改革をやり抜く」をキーワードに、テレビやゲームなどの赤字事業の安定収益化に向けて取り組みを進めてきた。今回の中期計画では「利益創出と成長への投資」をテーマとし、「規模を追わずに収益性を重視する」を強調するなど、収益性を意識した取り組みを進行している。また、事業の位置付けを「成長けん引領域」「安定収益領域」「事業変動リスクコントロール領域」の3つの領域に分けて、リスク管理などを行っている(関連記事:エレ各部門を分社化するソニー、復活のカギはリカーリング事業にあり!?)。

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ソニー 代表執行役副社長 兼 CFO 吉田憲一郎氏

 今回の2015年度第3四半期決算でもこれらの成果が確実に出ている。スマホの市場変化などにより、構造改革を進行中のモバイル・コミュニケーション部門については、売上高は前年同期比14.7%減少したものの、営業利益は131.7%増の241億円と改善。またPS4やネットワークビジネスが好調なゲーム&ネットワークビジネス部門は売上高が同10.5%増の5871億円となった他、営業利益も45.6%増の402億円となり増収増益となっている。デジタルカメラなどのイメージング・プロダクツ&ソリューション部門は売上高は同5.0%減の1919億円となったが、営業利益は20.3%増の237億円となった。

 さらにテレビを含むホームエンタテインメント&サウンド部門は、売上高が同4.3%減の4020億円となったものの、営業利益は同20%増の312億円となった。テレビ事業単体で見ても、売上高は同0.8%減の2785億円、営業利益は同70.9%増の159億円となるなど、黒字体質が定着している。

 ソニー 代表執行役副社長 兼 CFO 吉田憲一郎氏は「『規模ではなく違いを追う』をキーワードに顧客は誰で市場と販路はどういう形が適切かを考えて均衡点を探りながらオペレーションを進めており、その成果が出ている。販路改革などもうまくいき意思決定のスピードが上がっている」と手応えについて述べている。

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ソニーの第3四半期のセグメント別業績(クリックで拡大)出典:ソニー

 一方で、新たな課題として急浮上してきたのが、稼ぎ頭になっていたデバイス部門である。

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