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ミリ波レーダーで居間にいる家族全員の心電図が見られる、センサーは10cm角に:医療機器ニュース(2/3 ページ)
パナソニックと京都大学が、両者が共同開発しているミリ波レーダーを用いた非接触の生体情報センシング技術について説明。心拍だけでなく心拍間隔も計測できる高い精度と、測定対象が1人だけでなく複数人数の同時計測が可能な点が特徴。将来的には、センサーモジュールを10cm角まで小型化することも視野に入れている。
体表面の変位から心拍間隔を抽出する
今回の技術は、就寝時のみならず、食事やテレビ視聴している間など室内で過ごしている状況での生体情報センシングも対象になっている。そして、呼吸数や心拍に加えて、心拍間隔の計測も目指している。
心拍間隔とは、言葉の通り心拍の時間間隔のことである。心拍間隔は一定ではないが、緊張状態にあると比較的一定になり、くつろいでいるとばらつくことが知られている。このことを利用すれば、緊張状態=ストレスを感じている状態をモニタリングできる。しかし心拍間隔を計測するには、心拍を心電計と同等レベルで計測できる必要がある。
パナソニックのミリ波UWBレーダーによる人体計測の結果から、一般的なフィルタリングによって呼吸成分を除去しても、同時に計測した心電位と相関のある情報が得られるが、心拍間隔そのものは得られない。
そこで、心拍間隔を抽出するために適用したのが、佐藤氏の研究グループによる特徴点ベースの心拍推定技術だ。ミリ波UWBレーダーによる人体計測の結果から特徴点を抽出し、その遷移パターンから心拍間隔を推定することができる。
実際に、ミリ波UWBレーダーと同時に心電計でも計測を行ったところ、ほぼ同じ精度で心拍間隔が得られた。
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