Web界から組み込みに向けられた刺客「mruby」はこう使われている:mruby適用最新事例(4/4 ページ)
「Rubyの良さを組み込みに」を合言葉とする開発言語「mruby」は公開以来、着実な進歩を遂げ、さまざまな場面での利用も進んでいます。ここでは「Web界から組み込みに向けられた刺客」(まつもとゆきひろ氏)たる、mrubyの採用事例を紹介します。
これまでいろいろな例を通して、mrubyの特徴を生かした利用例を紹介しました。mrubyは組み込み開発のハードウェア上だけではなくドメイン固有言語として、ソフトウェアアプリの開発言語として、または実証実験など、さまざまな場面で使われています。
mruby自体も進化しています。九州工業大学としまねソフト研究開発センターが共同で開発した「mruby/C」は16bitマイコン、メモリ50KB以下で動作する省VMです。これはmrubyがサポートしているものよりさらに小さいリソースのセンサーなどでの活用や、省エネ効果が高いことから電源問題の解消が期待されます。上記サイトでα版が公開されています。
またmrubyが動作するマイコンボード(enzi)とYahoo!「myThings」を組み合わせた事例なども発表されています(Qiita:mrubyボードenziとmyThingsでIoT)。
このようにRubyの持つ特徴を生かし、さまざまに利用されているmrubyです。M2M/IoTの開発の大きな戦力になることは間違いありません。mrubyの詳細な特徴、環境の作り方、mrubyが動くボードを使ったIoTの実際などは「mruby概論」をご参照ください
mrubyダウンロードは軽量Rubyフォーラム Stable v1.2.0および、GitHubから可能です。
お知らせ
福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議が主催する「軽量Ruby・実用化促進ネットワーク」ではmrubyを使ったIoT/M2M実践コースを開催しています。既に福岡、東京で開催し大変好評頂いています。次回はさらにM2Mに特化した実践コースを予定しています。mrubyを使うことによるスピーディなM2M/IoTシステム構築を是非体験ください。
開催予定:2016年2月27日(土) 福岡 3月8日(火)東京
またRuby・コンテンツビジネス振興会議は2016年2月9日に「Rubyコンテンツフォーラム」、2月10日に「Ruby・mrubyビジネスフォーラム」を開催します。Ruby・mrubyの最新動向についての情報が満載のフォーラムです。
詳しくは福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議のWebサイトをご覧ください。
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