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日立が描く第4次産業革命とは?SCF2015 基調講演(2/4 ページ)

製造現場にITの波が押し寄せる中、総合電機としてさまざまな事業領域で製造現場と関わる他、自らも製造業としての製造現場を抱える日立製作所はどのように捉えているのだろうか。

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日本の製造業が抱える課題

 グローバルのトップ企業に比べ、日本の製造業が抱える課題には「設備投資の過剰(製造業での設備能力の余力10%)」「メガリコール対策費用の増大(自動車では数百万台に及ぶリコールが発生し100〜1000億円規模の費用負担)」「市場変化に伴う在庫余剰・不足(グローバルに構築した工場ラインが固定化で変化に追従できない)」などがある。これらの課題に対し、今後どういう取り組みを進めていけばいいのだろうか。それは以下の3つのポイントだと齊藤氏は指摘する。

  1. 投資効率の向上
  2. グローバル安定品質の実現
  3. 変化やリスクへの対応力

 これらの課題を抱えながら、製造業では欧米に比べて低いROA(総資産利益率)を向上させていくためには、従来の機器やパッケージソフトの活用だけでは難しい。そのためにはICTを活用し現場のさまざまなデータを集め、分析・可視化し、価値を創出することが、課題解決やイノベーションにつながることになる。

 日立製作所ではこうした状況の中で企業のモノづくりを支援するための取り組みを積極的に展開している。

IoT時代のモノづくりの在り方

 IoT時代の価値創出としては「さまざま現場から集まってくるデータをフルに活用し、全体を捉えて、それを分析・可視化し、その中にある本質的な原因、ニーズを見つけ出す(インテリジェンスを作り出す)。それをネットワークにつながっている各人の知見を集めて、新しいナレッジを作り出していくというデータドリブン型の流れがIoT時代には必要な、課題解決・価値創出のプロセスとなる」(齊藤氏)と述べている。ビジネス環境を全てサイバー空間に再現し、シミュレーションを行い新たな価値創出へとモデル化されたバリューチェーンにさらに良いものを生み出すという、データドリブンによるモノづくりの必要性を訴求する。

 現場から上がってくる設計、調達、製造、物流・販売、運用・保守などの各種データ(スモールデータ)を収集・分析し、そのデータを自在に組み合わせて、課題にいち早く対応。その中から生まれたナレッジは蓄積して次に生かすということが必要となる。その中心基盤としてデータを蓄えるデータベースと、ナレッジを抽出する解析基盤で構成されたサービスプラットフォームを設ける。このサービスプラットフォームを共通に用いることで、例えば工場のリードタイムの短縮や、不良・障害の根本原因の追及、製造コストの削減などを可能にすることもできる。トータルバリューチェーンのグランドデザインを作成し、改善の効率を向上することにより、経営革新が実現される。

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データドリブンで変わるモノづくり(クリックで拡大)出典:日立製作所

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