TNGA向けのエンジンマウントと後部座席用シートパッド、ブリヂストンが新開発:材料技術(2/2 ページ)
ブリヂストンのエンジンマウント用防振ゴムと後部座席の座面用ウレタンシートパッドがトヨタ自動車の新型「プリウス」に採用された。ブリヂストンは低全高/低重心を追求した新型プリウスのTNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームに対応するための技術を盛り込んで開発した。
新型「プリウス」のかっこよさと走る楽しさをエンジンマウントから考える
エンジンマウントは、エンジンを支持しながら振動を吸収し、車室内に伝わる振動を軽減する役割を持つ。また、路面の凹凸や加減速による振動を吸収する前後/上下方向のしなやかさや、コーナリング時の操縦安定性を高めるための左右方向の剛性が要求される。静粛性と乗り心地、操縦安定性に影響を与える部品だ。
これらの要件に加えて、新型プリウスのエンジンマウントは小型化も必要だった。先述した通り、エンジンフードを下げるためにエンジンルーム内のレイアウトを見直しており、マウントのスペースも大幅に狭くなっている。
ブリヂストンの従来のエンジンマウントは、左右方向に対する剛性が低かった。エンジンを支えるブラケットを防振ゴムに差し込む形になっており、前後/上下方向のしなやかさはあったが、左右方向の振動を受け止める余地が少なかったためだ。
新型プリウス向けの開発品は、ブラケットと防振ゴムを一体で設計して、左右方向に圧縮する防振ゴムを大きくした。こうした構造の見直しと高耐久ゴムの採用により、左右方向への剛性を2〜3倍に高めた。また、ブラケットの素材にはアルミニウムを採用して軽量化を図っている。
新開発のマウントにより、路面の凹凸や加減速による前後/上下方向の振動は従来通りに吸収しながら、操縦安定性を改善。(運転席から見て)エンジンの左側にあるハイブリッドユニットを支えるマウントの受注にもつながった。
同社は、タイヤ/防振ゴム/シートパッドを、乗り心地や操縦安定性を向上するNVH(Noise、Vibration、Harshness)ソリューションとして積極的に提案していく。
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