連載
第46回 外部ディスプレイ装置接続規格:前田真一の最新実装技術あれこれ塾(6/6 ページ)
実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第46回は外部ディスプレイ装置の接続規格について解説する。
8.MHL(Mobile High-Difinition Link)
Silicon Imageが開発した規格で、Silicon Image、ノキア、サムスン電子、ソニー、東芝の5社からなるMHL Consortiumというコンソーシアムで2011年に規格化されました(図18)。
その後もコンソーシアムで、規格化やバージョンアップ作業を進めていて、2012年にはバージョン2が、2013年にはバージョン3が発表されました。こちらはスマホと外部ディスプレイ装置との接続を目的としています。コネクタはスマホで使われる5ピンまたは11ピンのマイクロUSBコネクタを使っています(図19)。
9.MYDP(Mobility Display Port)
MYDPはDisplayPortを基にしたスマホやタブレットなどの携帯機器向けの外部ディスプレイ接続規格です。
MHLとMYDP規格は競合する規格となっています。
MYDP規格は半導体メーカーが中心のVESAのコンソーシアムから、2012年に規格発表されました。
メンバーの半導体各社は、MYDPドライバやMYDPとHDMIのコンバータなどのICやIPを商品化しています。
逆に、この規格を使う時のロイヤルティーやライセンス料は無料となっています。
以上、ここまでの規格の概要を表3に整理します。
参考資料
・「最新ディスプレイ・インタフェース規格動向と計測 ソリューション」杉山敏男、テクトロニクス/ケースレー イノベーション・フォーラム2014
筆者紹介
前田 真一(マエダ シンイチ)
KEI Systems、日本サーキット。日米で、高速システムの開発/解析コンサルティングを手掛ける。
近著:「現場の即戦力シリーズ 見てわかる高速回路のノイズ解析」(技術評論社)
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