第46回 外部ディスプレイ装置接続規格:前田真一の最新実装技術あれこれ塾(3/6 ページ)
実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第46回は外部ディスプレイ装置の接続規格について解説する。
4.HDMI(High-Definition Multimedia Interface)
デジタル家電での機器間ビデオ信号伝送の代表的な規格はHDMIです。
HDMIはDVI規格を基に、デジタルAV家電向きに作成した規格で、2002年にSilicon Image、ソニー、東芝、パナソニック、日立、フィリップス、トムソンの7社のコンソーシアムで作成されました。
現在、DVDやBlu-rayレコーダーとデジタルTVの接続に広く使われています。
HDMIはビデオ信号だけではなく音声信号も同時に伝送するため、ケーブル1本で全ての接続が完了し、接続が非常に簡単になりました(図6)。
アナログ接続時には、ビデオとして、アナログのコンポジット・ビデオ信号、左右の音声信号と3本の接続が必要でした(図7)。
コンピュータのデイスプレイやモニターでは、色の三原色である、R(Red)、G(Green)、B(Blue)信号が使われますが、家電の液晶TVでは、原色ではなく、自然色がきれいに表現できるY、Cd、Crと呼ばれるビデオ信号が使われます。
このため、HDMI規格では、当初、R、G、B信号を削除し、ピン数を少なくし、コネクタの小型化と低価格化を図りました。HDMIは圧縮しないデジタル信号を送っているので、伝送路の信号劣化がなく、高画質のデータをそのまま再現できます。
オーディオ信号や、電源、シールドグランド、制御信号など19ピンのコネクタ、ケーブルを使い、全ての信号を一括接続できるようになっています。
HDMIはデータ転送の高速化が要求されるに従い、バージョンアップが図られています(図8)。
また、当初は省かれていたPCモニターで使う、R、G、Bの三原色出力や出版やデザイン関係でよく使われているAdobeカラー出力にも対応するようになりました。さらに機器の小型化に対応して、コネクタの小型化も図られています。
表1にH「TVの解像度比較」を示します。
HDMI対応製品を販売するためには、HDMIコンプライアンスの会員となり、さらに製品ごとにロイヤルティーを払う必要があります。
ロイヤルティーを払うことにより、初めて、製品にHDMIのラベルを付け(図9)、HDMI対応製品として販売することができます。
逆に、製品にHDMIラベルを付加することは義務化もされています。
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