これが端子台4.0か!? “日本の現場”に特化した日独共同開発品の姿:SCF2015(2/2 ページ)
フエニックス・コンタクトは「システムコントロールフェア2015」(2015年12日2〜4日、東京ビッグサイト)に出展。それ伴い「端子台4.0」をテーマとした記者会見を開催し、同社の事業概要とDINレール用端子台の新製品「BTシリーズ」について説明した。画期的な製品日本市場特有のニーズに応えるため、ドイツ本社と日本法人が共同開発した注力製品だ。
日本の“ねじ式”文化に応える新製品
フエニックス・コンタクト ICE統括本部 本部長の加藤裕之氏によれば、欧州などでは端子台への配線の差し込み方法はプッシュイン式が主流だが、日本の端子台市場では約75%がねじ式を採用しているという。プッシュイン式は特別なノウハウがなくとも、工具不要で簡単に電線を固定できるというメリットがある。しかし日本市場では自分の手でネジを締めて固定するという文化が強く残っており、これまでプッシュイン式は受け入れられなかった。
「日本でも配電盤などの内線においてはプッシュンイン式が採用されはじめているが、外線をつなぐ部分の端子台では採用が進まない。外線部分の工事を手掛ける電気工事業者の方はなじんだネジ式を使うことが多く、社内で『ネジ式を使う』ことが規定されている場合もあるため、プッシュンイン式の端子台はなかなか受け入れられなかった」(加藤氏)。
こうした日本特有の現場の文化に応える製品として開発したのがBTシリーズだ。4種類を展開する同シリーズの1つとして、盤内配線をプッシュイン式、盤外配線をねじ式で接続できる「ハイブリッドタイプ」を用意した。こうした2つの接続方式を持つ端子台は「世界初」(同社)だという。これにより制御盤や配電盤などの製造メーカーは、外線部分のネジ式接続のニーズに対応しながら、内線部分を全てプッシュイン式に置き換えられる。
ハイブリッドタイプ以外の3種類として、従来のねじ方式のみの「オープンタイプ」、端子台カバーが不要な「フィンガーセーフタイプ」、2本接続が可能な「プッシュインタイプ」も用意。BTシリーズはこれら全てが同じサイズになっており、異なるタイプにへの置き換えも容易にした。この他にもDINレールの末端から差し込まなくても直接取り付けられる、ネジ式に緩みにくい2重構造の採用、標準で1接続部で2線対応できるなど、細かな仕様についても日本市場向けに開発したという。
ハイブリッドタイプは2016年春より販売する予定で、価格はオープンだが「日本市場にフィットするような価格」(加藤氏)としている。日本の他、韓国などのアジア市場にも展開していく予定だ。
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