“制御盤”の国際規格に特化した業界初のイベントが開催:FAニュース
制御盤の設計・製造メーカーの三笠製作所は2015年10月13月に東京都内で「世界制御盤カンファレンス」を開催。ドイツ、イタリア、米国などの制御関連メーカーの技術者が来日し、100人以上の来場者を前に海外市場の動向やニーズなどについて語った。
2015年10月13月に東京都内で「世界制御盤カンファレンス」が開催された。ドイツ、イタリア、米国などの制御関連メーカーの技術者が来日し、100人以上の来場者を前に海外市場の動向やニーズなどについて語った。
同カンファレンスを主催したのは、愛知県に本拠を置く制御盤の設計・製造メーカーである三笠製作所。海外の各仕向地の法令や制御機器に関するULやCEなどの国際標準規格について、対応に苦戦する日本メーカーの技術者などに理解を深めてもらおうというのが開催の目的だという。
「日本メーカーが海外に進出するという場合、どうしても海外の規制や規格への対応というのが課題として挙がってくる。しかし現在は国や地域ごとに規制も複雑になっており、情報を集めるだけでもかなりのコストが掛かる。そこで今回、海外の制御メーカーの生の声を聞いてもらい、理解を深めてもらおうという目的でこのイベントを開催した」(三笠製作所 制御設計担当 橋本佳紀氏)。
三笠製作所は1978年に創業し、制御盤のハード/ソフトの両面の設計・製造を行う他、制御盤の見積もりサイト「制御盤.com」などの運営も手掛けている。
同社では数年前から海外規格への対応に注力しており、2015年3月に同社の国内工場は工業用制御盤の規格である「UL508A」の認定を取得している。さらに米国、欧州、アジアなどに本拠を置く海外の現地メーカーとの提携も積極的に展開しており、各仕向地の規制や規格に対応した制御盤の設計・製造に加え、規格要求に対応するドキュメントの作成・翻訳やセミナーなども提供している。
民間企業がこうした制御盤に関する国際カンファレンスを開催するのは初になるという。開催の狙いについて三笠製作所 代表取締役 石田繁樹氏は「日本の機械装置メーカーや電気機器メーカーと、海外規格への対応に強みを持つ三笠製作所が協力すれば、グローバル市場を狙って行けるのではないかと思っている。今回のカンファレンスはまず、多くの方にどのように海外の規制に対応していけばいいのか知ってもらおうという狙いで開催した」と語っている。
なお、世界制御盤カンファレンスは2015年10月15日に愛知県の「名古屋国際センター」でも開催される。参加費は無料。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 制御装置の小型化に貢献する新製品、電気CADメーカーに製品情報も提供
オムロンは薄型・小型制御機器のラインアップの拡充と、制御機器の3次元CAD情報を国内外の電気CADメーカーに提供すると発表。制御装置の小型化・省スペース化のニーズに応えるとともに、設計の効率化を支援していく。 - オムロンの“標高10mのIoT”は製造現場を明るく照らすか(前編)
オムロンは「IoT時代のFA」をテーマに記者会見を開催した。インダストリー4.0などIoTの製造現場での活用が進む中、同社の考えるFAの将来像と戦略、またそれを実践する製造現場などを紹介した。前編では同社の考えるIoT戦略について、後編では製造現場におけるIoTの自社実践の様子についてお伝えする。 - いまさら聞けない EtherCAT入門
産業用オープンネットワーク「EtherCAT(イーサキャット)」をご存じだろうか。工場などの産業用オートメーションにおいて、フィールドネットワークのオープン化が進む中、なぜEtherCATの存在感が増しているのか。誕生背景やメカニズム、活用シーンなどを詳しく解説し、その秘密に迫る。 - 中小製造業の現役経営者だらけで運営する新メディア――あえて欧米で、紙雑誌
中小製造業の現役経営者たちが新メディアを作ろうと思ったきっかけは、欧州に営業に行った際に「もっと日本の中小企業は自分からアピールしに行かなければ」と考えたからだという。しかも“紙離れ”が進む今、あえて“紙の雑誌”で挑む。