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事故発生から即座にドクターヘリが駆け付ける、トヨタとホンダが試験運用車載情報機器(1/2 ページ)

認定NPO法人の救急ヘリ病院ネットワークは、重大な交通事故にドクターヘリを迅速に出動させる救急自動通報システム(D-Call Net)の試験運用を開始する。トヨタ自動車とホンダの一部車種で同システムを利用できる。2018年の本格運用に向けて対応車種や協力病院の拡大、精度向上を急ぐ。

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 認定NPO法人の救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)は2015年11月30日、東京都内で記者会見を開き、トヨタ自動車、ホンダ、日本緊急通報サービスと共同で、ドクターヘリの出動判断を迅速化する救急自動通報システム(D-Call Net)の試験運用を同日から開始すると発表した。

左からホンダ 取締役専務執行役員の福尾幸一氏、日本緊急通報サービス 代表取締役社長の倉田潤氏、救急ヘリ病院ネットワーク 理事長の篠田伸夫氏、同法人 会長の國松孝次氏、同法人の益子邦洋氏、トヨタ自動車 専務役員の吉田守孝氏
左からホンダ 取締役専務執行役員の福尾幸一氏、日本緊急通報サービス 代表取締役社長の倉田潤氏、救急ヘリ病院ネットワーク 理事長の篠田伸夫氏、同法人 会長の國松孝次氏、同法人の益子邦洋氏、トヨタ自動車 専務役員の吉田守孝氏 (クリックで拡大)

 D-Call Net対応の車載情報器を搭載する車両が、交通事故によってエアバッグを展開すると、位置情報、衝突時の速度変化や方向、シートベルトの着用の有無といったデータが、車両から日本緊急通報サービスに自動で送信される。D-Call Netでは、これらのデータを、国内の交通事故280万件を基に構築した「死亡・重傷発生確率アルゴリズム」によって運転席と助手席の死亡・重傷率を算出する。そして、ドクターヘリ担当の医師に、事故の状況などを分かりやすく伝えるため、事故に関連する情報1つの画面にまとめてタブレット端末に表示して知らせる。これによって、ドクターヘリ担当の医師が出動の可否を早急に判断できるようになる。

 D-Call Netを導入することで「事故発生から治療開始までの平均時間を従来の38分から17分短縮しできる。これは死亡率を7割低減できることを意味している」(HEM-Net)という。交通事故死亡者数を2018年に2500人以下に減らす政府目標に、人命救助の面から貢献していく。

 試験運用は2015年11月〜2017年までの約2年間で、その後2018年から本格運用を目指す。また、国土交通省は、救急自動通報システムの早期普及を後押しするため自動車アセスメントに導入することを視野に入れている。

ヘルプネットで通報中の様子
ヘルプネットで通報中の様子(クリックで拡大)

 D-Call Netは、日本緊急通報サービスが運営する「ヘルプネット」の発展形だ。ヘルプネットは対応した車載情報機器を購入したり、自動車メーカーのテレマティクスサービスに加入したりすることで利用できる。交通事故発生時にエアバッグが展開すると自動で位置情報を知らせ、オペレーターと電話がつながる。オペレーターはドライバーと通話しながら状況を確認し、消防や警察に通報する。

 D-Call Netでは、ヘルプネットへの自動送信に加えて、ドクターヘリの基地病院にも事故の発生を知らせる。ドクターヘリの運行管理室に設置したタブレット端末に、事故の状況や現場の位置や車種、死亡・重傷確率、事故発生からの経過時間を表示し、ドクターヘリの出動を即座に判断できるようにする。

タブレットに死亡・重傷確率をはじめとする出動の判断に必要な情報を表示する
タブレットに死亡・重傷確率をはじめとする出動の判断に必要な情報を表示する(クリックで拡大)

 死亡・重傷確率は、事故車両から送信された衝突の方向、衝突時の速度変化、シートベルトを着用しているかどうか、多重衝突の有無を基に推定する。タブレット端末には運転席と助手席それぞれの死亡・重傷確率が表示される。一定以上の確率の場合はドクターヘリの担当医師が出動を決めて、医師を現地に派遣する仕組みだ。

救急自動通報システムの概要死亡・重傷確率算出のアルゴリズム 救急自動通報システムの概要(左)と死亡・重傷確率算出のアルゴリズム(右) (クリックで拡大) 出典:HEM-Net
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