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クルマの自己診断機能「OBD2」の用途は“診断”だけじゃないいまさら聞けない 電装部品入門(22)(2/5 ページ)

今やコンピュータの塊と言ってもいいクルマ。それらコンピュータが正常に動作していることを確認するための自己診断機能が「OBD2」だ。整備士などがOBD2から診断情報を取得するコネクタが全ての車両で同じことから、最近ではスマートフォンと組み合わせて他の用途にも利用されるようになっている。

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OBDとは

 OBDはOn Board Diagnosticsの頭文字を取っており、日本語で表現すれば自己診断機能を意味します。

 OBD1のタイミングで各自動車メーカーが求められたのは自己診断機能の搭載ですので、各社それぞれの設計基準を基に「診断機」「診断方法(点滅回数など)」「故障コード」などを自由に決めて運用していました。

「OBD2」の診断機の例(スキャンツール)
「OBD2」の診断機の例(スキャンツール)

 しかしそれは複数メーカーを取り扱う整備業者にとってみれば、各社専用設計された診断機の保有が求められる他、診断方法なども全く統一されていませんので、とても対応しきれる状況ではありませんでした。

 メーカー側としても、定められたルールがあるようでない状況だったため、コスト面を含めて都合が良い領域のみを独自に進めても誰に文句を言われない状況だったのです。

 こうした状況を改善すべく、全メーカーが共通のルールの基で、OBDを搭載させる規定を制定したのが「OBD2」です。

 OBD2は、1996年以降に米国内で販売される車両全てに義務化され、これが世界基準となって欧州はもちろん、日本(J-OBD2)も順次義務化を開始していきました。

 OBD2では、車両と診断機とを接続するためのコネクタ形状(台形16ピン)および最低限必要になる信号線の「コネクタ上での配置(ピン配置)」を明確に定めました。

 このコネクタはDLC(Data Link Connector)と呼ばれ、主に前席足元などに配置されています。

前席足元に設置されたDLC
前席足元に設置されたDLC

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