組み込み機器における「ハードウェア開発」はどのように行われるか:組み込み機器開発入門(5)(1/3 ページ)
電子機器を開発する際には、ソフトウェアとハードウェア、双方の開発が必要となります。では、組み込み機器におけるハードウェア開発とはどのような工程を経るのでしょうか。
この連載ではこれから組み込み機器開発に携わる技術者・エンジニアを目指す方を対象に、組み込み機器開発の入門編として知っておくべき内容を広く説明します。
第1回では「組み込み機器とは」と題して組み込み機器の概略を解説し、第2回では「組み込みシステム開発」、第3回では「組み込みシステム開発のこれまでとこれから」について解説しました。そして前回の第4回では「組み込みソフトウェア開発」について、PC向けソフトウェアとの対比で説明しました。
連載:組み込み機器開発入門
・組み込み機器開発入門(4):「組み込みソフトウェア」の重要性をPC向けとの対比で理解する
・組み込み機器開発入門(3):携帯電話開発の歴史に見る、「すり合わせ」から「組み合わせ」へのシフト
・組み込み機器開発入門(2):BDレコーダー開発を例にした「組み込みシステム開発」概要
・組み込み機器開発入門(1):組み込み機器とは何か、PCとの対比で考える
第5回となる今回は、組み込みシステム開発の中で行われる「組み込みハードウェア開発」について説明します。
組み込みハードウェアとは
電子機器における「ハードウェア」には、以下のようなモノが相当します。
つまり、電子機器でソフトウェアを除いたもの全てがハードウェアです。組み込み機器(特定用途向けに特化した、限定した機能を果たすことを目的とした機器)に使われるハードウェアは「組み込みハードウェア」となります。
FPGAについて
電子機器は近年、機能が高度化・多様化していることから、開発コストが膨らむ傾向にあります。FPGA(Field Programmable Gate Array)は、設計者が論理回路構成を何回でもプログラミングできる集積回路です。複雑な機能をプログラムで簡単に記述でき、1つのFPGAに多くの機能を搭載できることから小型化や部品数の削減、開発コストの削減に有効です。
FPGAのプログラミングにはハードウェア記述言語(HDL:Hardware Description Language)が使用されます。最近では、プロセッサや周辺回路を組み込んだFPGAも多く登場しています(関連:MONOist FPGAコーナー)。
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