組み込み機器とは何か、PCとの対比で考える:組み込み機器開発入門(1)(1/2 ページ)
この連載では、これから組み込み機器開発に携わる方を対象に、入門編として知っておくべき内容を紹介します。まずは「組み込み機器とは何か」について、考えてみましょう。
この連載では、これから組み込み機器開発に携わる技術者・エンジニアを目指す方を対象に、組み込み機器開発の入門編として知っておくべき内容を広く紹介します。第1回の今回は組み込み機器開発についての説明に入る前に、まずは組み込み機器について説明しましょう。
組み込み機器とは
「組み込み機器とはなんですか?」
組み込み機器の定義は難しいのですが、本連載では「特定用途向けに特化、限定した機能を果たす事を目的とした機器」を、組み込み機器と呼ぶことにします。
このような堅苦しい言い方をすると「何?」と思う方も多いかと思いますが、皆さんの想像しやすい身近なものですと、例えば家電製品では、
- 動画/写真の撮影に特化したデジタルカメラやデジタルビデオカメラ
- テレビ放送波の受信、映像の再生/描画に特化したテレビ
- 温度計測に特化したデジタル温度計
- 物の加熱に特化した電子レンジ
などを思い浮かべて頂ければ間違いありません。このように皆さんの身近には数多くの組み込み機器があることを理解できるかと思います。
組み込み機器と相対する代表例といえるのが、皆さんが持っているパーソナルコンピュータ、PCです。PCは、「汎用用途向けに、多種多様な機能を果たす事を目的とした機器」と言えます。
組み込み機器とPC
この相対する存在である組み込み機器とPCは、目的こそ違いますが、実は基本を構成する要素は似通っています。機器外面では、機器を操作するボタン、マウス、キーボード、最近主流になってきたタッチパネルなどの入力装置や、機器から結果を得るディスプレイ、ランプなどの出力装置、機器内部では、プログラムを動作させるための演算装置、データを格納するメモリー、HDD、SSD、フラッシュROMなどの記憶装置、それらの装置を動かすプログラムなどは、組み込み機器であろうとPCであろうと存在するのです。
ただし、組み込み機器とPCでは「特定用途向け」か「汎用用途向け」か、目的の違いにより搭載される装置に違いがあります。
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