連載
無償の流体解析ソフト「Flowsquare」をインストールしよう:無償ソフトで流体解析(1)(4/4 ページ)
無償で使える流体解析ソフト「Flowsquare」を使ってみよう! 今回はソフトのインストール&起動編。
「バックステップ流れ」のサンプル
さて、図10の解析結果では面白味がないので、「バックステップ流れ」と呼ばれる段差を通過する流れの例を用意しました。添付のbc.bmpファイルとgrid.txtファイルをダウンロードして、Flowsquare横のファイルを上書きしてください(必要であれば、元のファイルは別な箇所に避難させてください)。
バックステップ流れとは、流路が垂直に拡大する流れで、流体シミュレーションと実験結果との比較に用いられます。Flowsquareを起動し、プロジェクト名を入力してEnterキーを押すと、確認画面でのEnterキー入力後、計算が始まり、図12のような計算過程が表示されます。
図で流れは左から流入し、矢印の向きで流れの向きと、矢印の長さと色で流速の大きさを表しています。図中下側にあるカラーバーが流速の目安であり、青色で0m/s、赤色で1.27m/sとなります。
図を見ると、段差後方には流速の小さな領域ができていることが分かります。また、この部分では、矢印は右向きから下向きあるいは左向きに変わり、渦が発生していることが分かります。
次回は、Flowsquareの解析モードの使い方と、ベルヌイの定理をFlowsquareにより再現してみます。
筆者紹介
伊藤孝宏(いとう・たかひろ)
1960年生。小型モーターメーカーのエンジニア。博士(工学)。専門は流体工学、音・振動工学。現在は、LabVIEWを使って、音不良の計測・診断ソフト、特性自動検査装置などの開発を行っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 無償ソフトで3次元構造解析をしよう(前編)
無償で使えて、要素数や利用期間に制約もない「Adventure_On_Windows」で構造解析をしてみよう! 今回は、「インストール編」。 - 無償ソフトで3次元構造解析をしよう(後編)
無償で使えて、要素数や利用期間に制約もない「Adventure_On_Windows」で構造解析をしてみよう! 今回は、「モデリング&解析実践編」。 - 無償の工学計算ソフト「FreeMat」をインストールしよう
無償の工学計算ソフトでも、かなり高度な計算ができる! 今回はインストール編。工学計算の初心者もぜひチャレンジしよう。 - オープンソースの無償3D CAD「FreeCAD」を使ってみた
ユーザー登録不要の無償CAD「FreeCAD」はモデリング以外の機能も盛りだくさん。一度覚えたら、今後のモノづくりの世界がぐっと広がること請け合いだ。今回はモデリング機能の一部を紹介する。