バイク乗りロボット「MOTOBOT」はロッシを超え、“心地よいバイク”を生み出す:東京モーターショー2015(2/2 ページ)
ヤマハ発動機が東京モーターショー2015で公開したバイク乗りロボット「MOTOBOT」。世界的ライダー、ロッシを超えるという壮大な目標を掲げるが、“彼”には違った使命もある。
そのためカーブを曲がる際には「進行方向へハンドルを操作する」「曲がりたい方向の反対側に前輪を向け、前輪から生じる力を利用して曲がる」のいずれかの方法で曲がる。
重心移動を伴う機体制御は2017年の実現を目指して開発中であるとしているが、ロボットであることのメリットを最大に生かした機体制御も模索しているという(YouTubeに公開された映像の字幕に現れる「私は人間ではないが、私にしかできないことがきっとあるはずだ」の一文は何とも意図的だ)。
2017年の目標として掲げる「人間を上回るサーキット走行の実現」のため、機体制御とともに同社が取り組んでいるのが、GPSや各種センサーを用いた自社位置推定と学習機能だ。これによって、ロボット自らが最適なライン取りと最適なマシン制御を行い、サーキットで“周回する度に速くなる”マシンを作り出す。
ただ、同社はオートバイの自動運転ロボットを作り出すことだけが目標ではない。「研究開発過程で獲得し得る要素技術を、先進安全技術やライダー支援技術といったかたちで既存ビジネスへ応用したり、新規ビジネス開拓につなげていく」と同社の柳弘之社長が述べるよう、MOTOBOTの開発で二輪車の制御を科学的に解明し、次につなげることが最大の目標だ。
つまりMOTOBOTの開発とは“オートバイに乗ることで得られる感覚”を数値化する取り組みともいえ、そのフィードバックは高性能な機体、より安全な機体の開発はもちろん、より“楽しく、心地よい”機体の開発にも役立つはずだ。
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